優れた企業広報を実践している企業や経営者らを表彰する第30回「企業広報賞」(経済広報センター主催)の表彰式が2日、都内で開かれた。
今年度の企業広報大賞に選ばれた森ビルは、昨年の六本木ヒルズ開業10周年、今年の虎ノ門ヒルズ開業といったトピックに際し、東京のイメージ向上につながる戦略的な広報活動を展開した。併せて安全への取り組みを続け、防災拠点としての都市の役割をメディアに発信し続けたことも高く評価された。辻慎吾社長は、「都市と真剣に向き合ってきた。『逃げ込める街づくり』をテーマに、安全・安心への取り組みを続けてきたことが評価されうれしい」とコメントした。
企業広報経営者賞に選ばれたダイキン工業の井上礼之会長は、「広報活動は、対話こそが大事。まず相手の話を聞くこと」、カルビーの松本晃会長兼CEOは、「いいこともあれば悪いこともあるが、正直に皆さんに伝えていき、愛されるカルビーになりたい」とそれぞれ述べた。
企業広報功労・奨励賞には西武ホールディングスの西山隆一郎・取締役上席執行役員広報部長と、日産自動車の濱口貞行・国内企業・商品広報部部長が受賞した。西武HDは昨年度、筆頭株主である米投資会社サーベラスとの間で、経営方針を巡る対立が続いていた。西山氏は「昨年度は緊張感に満ちた日々が続いた。各部門、事業会社社員の結束を固めることに取り組んだ」とコメント。日産の濱口氏は、25年にわたる広報歴で最も印象深い出来事に1999年の仏ルノーとの提携を挙げ、「日本市場、日本メディアに向けていた広報がグローバルに急激に変わった」と振り返った。
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