新潮社 佐藤隆信社長インタビュー――神楽坂に登場する新商業施設「la kagu(ラカグ)」の狙いとは?

作家と読者が触れ合えるスペースとして活用

――「la kagu」の中には、貴社が主体となって企画・運営する「sōko(ソーコ)」というレクチャースペースを設けています。これからどんなイベントをやっていくご予定なのでしょうか?

オープン当初は角田光代さんと河野丈洋さん、よしもとばななさんと平松洋子さんといった、作家さんのトークショーが予定されています。広さは100㎡くらいあるので、それ以外にもちょっとした鑑賞会や小さな展覧会など、何でもできる場所だと思っています。例えば、今年の9月に新潮文庫が100周年を迎えるので、それにまつわる編集会議などを公開で実施する予定もあります。
目標としては、週2回くらい、何らかのイベントを実施したいと思っています。まずはとにかく実施してみて、何がフィットするのかを探っていきたいですね。

――「衣食住+知」というキーワードがありましたが、「知」を担当する貴社としては、「la kagu」にどんなシナジー効果を生み出していこうと考えていますか?

先ほど、作家のトークショーという話をしましたが、当社の本の宣伝を行う場所にするつもりはありません。もっと広く「知的文化の発信基地」にしたいと考えています。例えば、地元神楽坂のNPOで落語をやっている団体がありますが、そうしたところと協力して新春落語をやろうという企画も持ち上がっています。他にも、神楽坂には能楽堂があったり、祭りを企画しているNPOあったりするので、そうしたところと連携し、発表の場としても機能させていきたいと考えています。

次ページ 「編集者が成長できるための装置としても期待」に続く

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