「楽しく仕事をすることから生まれる善のスパイラルをマネジメント層は意識すべき」――バリューコマース 香川社長に聞く

決断=責任。繰り返す決断の中にこそ責任感と判断力が生まれる

――チャレンジを促すための雰囲気作りとしてやっていることはありますか?

雰囲気作りとしては、4つのコアバリューの徹底が役に立っていると思います。バリューの中に「エンジョイ」という言葉がありますが、仕事は楽しんでやってもらいたい。楽しみながらやっているからこそ、周囲を巻き込めます。そして、周囲を巻き込むことで、一人ではできない大きなアウトプットが可能になる。さらに、アウトプットをすることによって周囲から感謝もされる。それがお客様からでも、社内の人間からでも、感謝されることによって確実にモチベーションが高まります。そうして「もっと良くしよう」というスパイラルが生まれる。この連鎖に入っていくと、どんどんアウトプットが素晴らしいものになっていき、さらに楽しくなって自己学習し、もっと良いアウトプットになっていく。特にマネジメント層の人たちにはそういう良いスパイラルを意識して欲しいと思っています。やっぱり、社員が上を向いている会社にしていきたいですね。

――良い雰囲気を作り、チャレンジさせることで社員を育てていくということですね。

社員の成長には、権限を委譲してでも、「最も重要な意思決定をさせるプロセス」が必要だと思っています。ただ上から言われた仕事をやるのではなくて、自己責任で決断する。権限=責任なので、意思決定を任せられることで、最高のパフォーマンスを発揮するために本人は努力しなければいけなくなります。誰かが解決してくれるのを待つのではなく、自分から周りを巻き込んで問題解決をしていく、そういう企業文化にしていきたいと考えています。

――そういったチャレンジを推進する施策はどんなものがありますか?

仕組みは色々あるのですが、まだまだうまく回っていないというのが正直なところで、スクラップ&ビルドを繰り返している状況です。あえて言うなら、年1回ぐらいのペースで企画コンテストをしていますが、新規事業や開発系の人間からアイデアが上がってきますが、まだまだ全体には広がり切れていません。

ただ、韓国のkt mhows社と共同で行っている「ソーシャルギフト」についてのプロジェクトは、新卒6年目の社員が中心となって進めています。同じようなかたちで、比較的年齢が高い人間には新しいチャレンジをさせています。

次ページ 「小さなアイデアの芽を育てる体制をスタート」に続く

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[マーケティング研究室]
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時代の流れがますます速くなっている昨今、求められる人材においても、そうした流れに翻弄されることなく、しっかりと考えて行動できる「マーケティング思考」が、マーケティング部門のみならず、あらゆるビジネスパーソンに求められる時代なってきている。

このコラムでは、そうした「マーケティング思考&行動」ができる人材を育成するにはどうすればいいのか?企業のトップに、人材育成について考えていること、大切にしていること、実践していることなどを聞いていく。

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