2013年にはユーザー投稿型のキャンペーン「言わせてクレアラシル!」を実施。投稿すると抽選で、東京ディズニーランドのチケットが当たるキャンペーンだったが、「期待したような応募は集まらなかった」という。しかし「言わせてクレアラシル!」のキャンペーンから、得た学びもあった。それは「F1F2層と違い、ティーン層はオンラインで広告をクリックしない」、「ティーンには、自分にとって身近なインフルエンサーとなる人がいて、その人の影響を強く受ける」という2点だという。そして、ここで得た学びが今回の「カゲプロ」コラボ企画につながった。
記者発表会に先立つ、8月1日よりツイッターのプロモツイートでキャンペーンの告知を開始。「今のティーンに対してはツイッターが効果があると思う。ただ、この世代が使うメディアやツールは目まぐるしく変わるので、効果を見ながら広告の出稿先を1週間単位で変えている」(趙氏)という。記者発表会を挟む8月1日~19日の期間で、「クレアラシル」に関するつぶやきは2万2千件超まで拡大。これは通常の1カ月平均の約45倍に値するという。
レキッドベンキーザー・ジャパンでは「クレアラシル」に限らず、全社的にデジタルの利用促進を掲げている。しかしながら対流通の営業現場では、まだまだテレビCMへの期待が強く、今回のキャンペーンも、実施に際して社内の理解をどう得るかが大きな課題になったという。
「実施前には『カゲプロ』が、どれだけティーン層に影響力があるコンテンツなのか説明。今回は社内向けの説明会に動画も作成しました。さらにキャンペーン開始後は、ツイッターのつぶやきをリスニングし、『クレアラシル』に関するつぶやきをピックアップしてプリントアウトし、営業に渡すという活動を地道に続けてきましたが、少しずつ理解が広がってきた感触があります。全社的にデジタルにシフトしていく上では社内、特に営業部門の理解が不可欠」と趙氏。社内の理解を促しつつ、「クレアラシル」では来年度も「100%デジタル」のキャンペーンを実施する予定だという。