リアル店舗への期待を高める
来店者向けの販促と言うと、クーポンや来店ポイントといった短期策を思い描きがちだが、前述のコーディネート提案のような実店舗における体験の提供や、顧客のファン化にもiBeaconは多いに活用できる。そう指摘するのは、iBeaconを使ったソリューションに詳しい日本写真印刷の村山庸一氏だ。
「例えばスーパーマーケットなら特定の食品の前を通ると、生産者プロフィールやメニュー、一緒に購入すると良い食材などを表示する。ワインならソムリエいらずの豊富な知識を提供するのもいいでしょう。スペースの限られた商品棚で情報を発信することは、買い物の楽しい体験、来店したくなる動機を提供することになります。
アパレルショップなら、店員がビーコンを所持し、店員が独自のお知らせを発信するのも面白いですね。例えば近隣の飲食店を教えてくれたら、買い物途中に立ち寄りたくなりますし、店員との心理的な距離が縮まります。顧客が再来店したら特定メッセージを配信することもできます。
ネットで服をお気に入り登録した人が実店舗に足を運んだとき、その情報をスマホに表示し買い逃しをさせない工夫もできます。さらに『お気に入り登録をしている人が来店した』という情報をリアルタイムに店員が共有することも可能です。そうなれば接客のあり方も変わります」。
顧客ごとに適切なコミュニケーションが取れ、実店舗への来店、購入動機を創造できるのが、iBeaconの強みだ。
「ネットで便利に安く購入できてしまうと、実店舗から足が遠のきがち。当社の生活者調査でもネットショッピングへの期待が、既にリアルなショッピングへの期待を上回っていることが伺えます(図参照)。しかしリアル店舗での買い物は本来楽しいもの。買うまでのプロセスを楽しみ、商品に納得感が得られれば、価格が高くでも購入する人たちはいます。買い物の楽しい体験を呼び戻すことができるのが、iBeaconという技術です」と村山氏は話す。
日本写真印刷では、iBeaconの導入を支援するパートナーとして海外の技術動向や日本に合った展開などを指南する講演を行うほか、iBeaconを簡単に導入できるクラウド型のソリューション「ストアビーコン」を展開する。単にシステムを提供するだけでなく、マーケティング戦略の設定から実行まで行うマーケティングエージェンシーとして、iBeaconを使ったソリューションを提案していきたい考えだ。
iBeacon 超簡単導入パッケージ
iBeaconを使った“顧客行動を見える化”するO2Oシステム「ストアビーコン」
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