「主体的に動けば動くほど、得られるものは大きい。指示待ちではもったいない」——オプト・石橋宜忠取締役COOに聞く

「指示待ち」ではやっていけない

——人材の採用・育成はどのようにしていますか。

基本は一から育てていく方針です。新卒は今年、オプト単体で約70人、グループで約150人を採用しました。今は専門領域ごとに分社化を進めていますが、人材育成はグループ全体で進めています。

今年から、新入社員は配属前に2カ月間みっちりと研修を受けさせ、ネット広告やマーケティングの基礎知識やビジネスマナー、オプトの経営理念や行動規範を集中して学んでもらうようにしました。昨年までは、4月の入社後2週間程度の全体研修を経て現場に配属していましたが、研修を大幅に充実させました。配属先のマネージャーの評判は良く、配属のミスマッチ度合いも減っていると聞いています。

今年から新入社員向けの研修を2カ月に拡大し、カリキュラムを充実させた

一方、中途採用も年間50~60人規模で行っていますが、一時期より採用ペースは落ち着いています。プライベートブランド開発にシフトしていますので、各分野での経験者やテクノロジーがわかる人材を中心に採用しています。

——求める人材像についてお聞かせください。

新卒であれ中途であれ、オプトの理念やカルチャーに合う人材であることが大前提です。その上で、会社が目指す方向性に共感し、「自立人財」として自ら考え行動しようという意欲がある方が望ましい。この会社で「指示待ち」でやっていくのはつらいでしょう。

オプトには、会社や社員のあるべき姿をまとめた「オプトイズム」という企業理念があります。その冒頭に掲げているのが「一人一人が社長」です。実際に社長にならなくても、自身の頭で物事を考え、周りも巻き込みながら実行してやり遂げる。自ら主体的に動くのと指示を受けて動くのとでは、得られることに大きな差がつくはずです。

こうした「自立人財」の集合体であることが望ましい姿であり、組織として最強の形だと思います。

——グループで1600人を超える規模に成長し、東証一部にも上場しました。すでにベンチャー企業ではないとも言われます。

当社は「イノベーションカンパニー」を掲げていますが、競争の激しいネット広告市場で勝ち抜いていくためにはベンチャーマインドを持った人材は欠かせません。もっとも、チャレンジ精神あふれる人を採用したとしても、入社後大きな組織の中で力を発揮できなかったり、組織の階層が多く意思決定が遅れるなどのいわゆる「大企業病」に直面するようなことが起こり得る中で、ベンチャーマインドを失わないように、私自身も常に危機意識を持っています。

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[マーケティング研究室]
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時代の流れがますます速くなっている昨今、求められる人材においても、そうした流れに翻弄されることなく、しっかりと考えて行動できる「マーケティング思考」が、マーケティング部門のみならず、あらゆるビジネスパーソンに求められる時代なってきている。

このコラムでは、そうした「マーケティング思考&行動」ができる人材を育成するにはどうすればいいのか?企業のトップに、人材育成について考えていること、大切にしていること、実践していることなどを聞いていく。

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