「価値観を共有し、会社を大切にする気持ちが、顧客の深い理解にもつながる」——メンバーズ 剣持社長に聞く

短時間で成果を高める働き方が定着率を高める

——マインドに共感できる社員を集めつつも、研修を通じてさらに浸透させているのですね。そのベースがあるから会社を良くしようという自主性が出てくるということでしょうか?

そうですね。やはりビジョン・ミッションに共感しているからこそ、日々の仕事をがんばろうという気持ちになれるのだと思います。マーケティング関連のネットベンチャー企業は、起業したい人を応援するような人材育成方針であることが多いのですが、当社は逆です。長期的に働き、周囲と協力しながら、会社とともに自身も成長していきたい人たちが集まっているので、かなり価値観が違います。そういったマインドに合わせた育成が必要だと思っています。

——ほかに、貴社ならではの仕組みはありますか?

就業時間については厳しく言っていますね。以前はフレックス制だったのですが、それだとダラダラと働いてしまうことが分かったので、方向転換しました。今や残業は全社員平均で1日1時間程度しかしていません。それによって、社員の定着率も高まり、女性社員の育児休暇からの復帰もほぼ全員になりました。また、資格取得支援も手厚く行っています。社員全員で、2年間で700以上取っているのではないでしょうか。研修も、自由参加ではなく、社内外問わずすべて業務として取り組ませています。

——そういう研修は、外部のものが多いのでしょうか?

外部を活用し、さらにオリジナルな内容の研修にしています。理想としては、技能研修なら、「メンバーズ技術カリキュラム」を初級・中級・上級、として完成させたいですね。これからは、自社で採用して教育することにより力を入れていきます。

——研修を通じて、どのようなことを学んでほしいですか?

社員全員にできるだけ力をつけてもらい、失敗を恐れずに新しいことに挑戦するようになってほしいですね。また、当社は一括して企業のサイトなどの運営代行を行っているので、お客様以上に当事者意識を持って取り組む必要があります。特定のお客様だけを担当しているメンバーのスペースには、お客様の経営理念やスローガンや今期目標が貼ってありますが、お客様以上にその会社の方針に詳しくなるくらい、高い意識でいてほしいです。

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[マーケティング研究室]
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時代の流れがますます速くなっている昨今、求められる人材においても、そうした流れに翻弄されることなく、しっかりと考えて行動できる「マーケティング思考」が、マーケティング部門のみならず、あらゆるビジネスパーソンに求められる時代なってきている。

このコラムでは、そうした「マーケティング思考&行動」ができる人材を育成するにはどうすればいいのか?企業のトップに、人材育成について考えていること、大切にしていること、実践していることなどを聞いていく。

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