@niftyからのMBO実施の理由と今後の戦略について――コムニコ林社長が語る

専門性の高いマーケティングの各領域を自社に収めていきたい

——事業領域を拡大するというところについて、もう少し詳しくお聞かせください。カバーできる分野を徐々に広げていくというイメージでしょうか?

そうですね。コムニコや別会社のインバウンドマーケティングを手掛けるマーケティングエンジン、どちらにも共通するのがユーザー視点を大切にして、ユーザーに役に立つことを行うということ。ターゲット層は、コムニコはBtoC企業、マーケティングエンジンはBtoB企業。企業規模で言えば、コムニコは比較的大手企業向け、マーケティイングエンジンは中堅~大手まで幅広く、と違いはありますが、根本は同じです。

我々のいるマーケティング業界は、ソーシャルゲーム業界のように「一つの事業に集中することで一気にスケールアップしていく」という性質ではありません。それぞれの市場は決して大きくはないが、専門性は必要になる。そんなセグメントがどんどん増えてきているというのが、私の見ているマーケティング業界の姿です。

そうした中で成長していくために重要なコンセプトは、やはり「ユーザーが中心の情報消費行動を考えながらマーケティングをする」ということだと思います。当然、我々が提案する手段はインバウンドマーケティングであったり、ソーシャルメディアマーケティング、Eメールマーケティングであったり、あるいは単純に企業のコーポレートサイトの再構築だったりと、お客様によって変わります。つまり、いろいろな選択肢があり、さらにそれぞれ専門性が必要となる。それらを手掛けていくことで、スケールアップしていくと考えているので、MBOを機に、そうした方向にさらに進んでいきたいと思っています。

次ページ 「本当の意味でのファンとの関係づくりが重視されるステージへ」に続く

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