大雪の日は家で「すき焼き」!?クックパッドの検索情報で売り場づくりを提案

9月3日・4日東京国際フォーラムにて、「宣伝会議販促・集客メディアフォーラム2014」が開催され、販促担当者の課題解決に役立つ最新事例や手法についての講演が行われた。本コラムでは、メーカー・流通を中心とした注目企業のキーパーソンによって行われた講演の一部をレポートとして紹介する。

講演者:クックパッド トレンド調査室 ディレクター 中村耕史氏

検索キーワードから考えるクロスMD施策

クックパッド 中村耕史氏

クックパッドが提供する「たべみる」というサービスでは、「購買や料理の実績」としてのPOSや食卓日記データと異なり、これから購買・料理を行おうというタイミングで発生する検索キーワードという「ニーズの実績」を捉えることができます。例えば、「ダイエット」というキーワードは正月を迎えた1月、夏までに痩せるダイエットを開始する5月に多く検索されます。「たべみる」を見ると、ダイエットは1月に「お餅」「リンゴ」「大根」、5月に「食酢」「ジュース」「スムージー」などと組み合わせて検索されていることが分かります。同じテーマであっても、時期によって組み合わせて検索される食材が異なることがわかれば、小売店がどの食材に力を入れるべきか決定する一材料になるのです。

ID-POSデータとクロス分析

味の素の「ガリバタチキン」はテレビCMの出稿時期に多く検索される商品です。ID-POSデータと検索データを組み合わせると、売り場が動く直前に多く検索されていることが分かりました。また、同商品の作り方に明示されている長ネギ、ぶなしめじは定番商品として併売されていますが、検索データを見ることでアスパラやジャガイモにも消費者のニーズがあることが分かり、新たな売り場の提案につながります。検索データをメーカーと小売業が事前に活用することで、消費者のリアルなニーズに基づいた売り場を展開することができるのです。

商品だけでなく、季節のイベントやシーンとも検索データを組み合わせることができます。例えば「ハロウィン」はお菓子やカボチャを並べた売り場提案がされる中、カレーやオムライスも多く検索されていることが分かりました。「おでん」ではつゆの他にもオイスターソースが近年検索上位に上がっているため、併売の提案が可能です。検索される時期やエリアごとの食べるタイミングも数値として表れるため、従来の組み合わせとは異なる商品のニーズを把握し、売り逃しているタイミングを活用できます。

天候と連動した検索データについては現在研究中です。「すき焼き」は週末に多く検索されるメニューですが、首都圏で大雪が降った日に、多く検索されました。雪の日は買い物ができずID-POSデータを把握することはできませんが、冷蔵庫にあった豚肉で料理したと思われます。将来的に、天気予報と検索データを組み合わせた売り場提案をすることもできるでしょう。

クックパッドを通じたクロスMD支援

クックパッドでは、個店ベースにいつも来店する消費者に対してリアルタイムでコミュニケーションが行える小売業向けO2Oサービスを行っています。ユーザーがよく行く店舗を登録すると、店舗からの情報が届くというサービスで、食材を購入する時点の消費者へアプローチできます。従来、チラシに向かなかった鮮魚・地場野菜・店内調理品なども商品をスマホで撮影した写真で投稿することで消費者へ発信をすることができます。検索データとも連動しているため、特売情報からレシピを検索することや、レシピから特売情報を確認することもでき、店頭と連動したサービスを提供しています。 
導入後、特売情報利用者は非利用者に比べて来店頻度が15%、購買金額が21%アップしたという事例も出ています。

スマートフォンの普及によって変化した食の意思決定プロセスを捉え、検索の結果から把握した消費者のニーズを店頭に反映させる取り組みは多方面から進めていく予定です。


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販促・集客メディアフォーラム事務局 2014
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