著名人インタビューと商品コメント(その2)〜説得力のあるコメントの作り方編〜

もう一つ、コメントの説得力を増すために大事なのが、「ディテール」の情報です。柱となるコメントを決めたら、そのエピソードにまつわるシチュエーションなど細かな内容を徹底的に取材します。よく使うのはリビングか書斎か? どんな時間帯に使うのか? どんなバッグに入れて持ち歩くのか?…など、本人しか知らない固有の情報を聞き出します。このディテール情報こそコメントの真実味や説得力を強める源ですから、原稿を書く時に困らないように材料をたくさん集めて、なるべく具体的なシーン描写を心がけます。商品とは直接関係のないことでも、分量が許せばプライベートな情報を散りばめることで、コメントのリアリティが高まります。

リアリティといえば、著名人によってリップサービスとばかり、過剰に商品を褒めちぎってくれる場合がありますが、これも読者には空々しく受け止められてしまいます。「インタビュー時に本当に言ってた!」としても広告を見る側には通じません。要は消費者にとって信憑性を感じさせるように、コメントをコントロールしなくてはなりません。そうした意味でも、事前に「仮想コメント」を作っておくことは有効です。インタビューは、相手にしゃべらせつつも主導権は聞き手が持つべきで、ある程度コメントの内容や筋書きを想定しておくと精神的に余裕が生まれます。取材当日より、むしろ事前の準備をしっかりしておくことがインタビュー成功の鍵だと思います。

前回に続いて、2回にわたりインタビューとコメント作りについて書きましたが、最後に一つ念を押しておきます。今回の手法は「通販広告の商品コメント用」のインタビューを想定したもので、一般的な読み物の取材やインタビューとは、手続きがかなり違っていることを知っておいてください(とくに校閲の有無など)。また、インタビューをする相手や事務所によって反応は様々ですから、いつでも通用する「マニュアル」とは捉えないでください。あくまでも参考程度に!実践は個人責任で!よろしくお願いしますね。

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向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)
向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)

通販クリエイティブディレクター。コピーライター。1990年に総合通信販売会社カタログハウス入社。同社発行「通販生活」の商品ページの企画・商品コピーを担当。95年より読み物ページも兼務。主な企画に「筒井康隆さん、断筆をやめて通販生活に小説を書いてください」(読物記事&CM連動企画)。98年よりテレビコマーシャル制作を兼務 、「じゃぁ、どんな生活がいいの?」「ブッシュ大統領そっくりさんCM」「読者投稿によるCM大賞作」「通販生活の著名人シリーズ」などの企画に携わる。2003年『ピカイチ事典』リニューアルに伴いピカイチ商品開発チームに参加。05年より 「ネット編集部」編集長。2011年より広告企画室 ゼネラルマネージャー。2014年独立後、通販メディア各種制作、コンサルティングの分野で活動。セミナー講師。

向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)

通販クリエイティブディレクター。コピーライター。1990年に総合通信販売会社カタログハウス入社。同社発行「通販生活」の商品ページの企画・商品コピーを担当。95年より読み物ページも兼務。主な企画に「筒井康隆さん、断筆をやめて通販生活に小説を書いてください」(読物記事&CM連動企画)。98年よりテレビコマーシャル制作を兼務 、「じゃぁ、どんな生活がいいの?」「ブッシュ大統領そっくりさんCM」「読者投稿によるCM大賞作」「通販生活の著名人シリーズ」などの企画に携わる。2003年『ピカイチ事典』リニューアルに伴いピカイチ商品開発チームに参加。05年より 「ネット編集部」編集長。2011年より広告企画室 ゼネラルマネージャー。2014年独立後、通販メディア各種制作、コンサルティングの分野で活動。セミナー講師。

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