[前回のコラム]
就職活動で50社落ちたけど、私、本を出版します。
就職活動で50社落ちたけど、私、本を出版します。(2)
華井 ゆりな
“夜のなかを歩みとおすときに助けとなるものは、橋でも翼でもなく、友の足音だ。” これはヴァルター・ベンヤミンという思想家の言葉です。出版への道は、まさに手探り。そんなとき、頼りになるのが編集者です。「でも、編集者と著者で意見が対立することもあるんじゃない?」今回はそんな疑問にお答えすべく、編集者と作家の裏事情についてお話します。
ダメ出しに負けないのは、落ち慣れている人!?
2014年春「編集・ライター養成講座」で本の企画を考えた私は、授業後さらに企画を練りました。「いい企画ができたら、出版社に持ち込みます」と言ってくださったエージェントの鬼塚氏に提出した最初の企画は、大好きなミュージカルについての本。そのお返事は……。 「うーん、これはダメ。他には?」 ミュージカルは各地域のミュージカル教室で実践的に教えられているため、わざわざ本を手に取る人は少数、とのこと。首からばっさり切られました。その後も出しては切られ、出しては切られ、終わりなき戦いを繰り広げました。 この、切っても切っても蘇るゾンビ並みの生命力こそ、ダメ出しに負けない武器だと私は思います。そして、さまざまな場面で落ちれば落ちるほど、この武器は強くなります。コラムのタイトルにもある通り、私は今まで宣伝会議賞や就活など、とにかく落ち続けてきました。その度に机の下で体操座りをして引きこもるのですが、「また次、頑張ればいっか!」と、10分くらいで出てきます。 「女の子向け仕事図鑑」の企画は、落ち慣れていたからこそできた企画でした。