菅原氏は「デジタルやデータが活用できていないばかりに、どれだけの機会損失をしているのかが可視化できていない。デジタル活用の意義を社内の複数部門で共有できていないのでは」と話した。
さらに菅原氏は「今の時代はデジタルマーケティングの“予行演習”の段階だと思う。明確な正解が見えなくとも、まずは始めてみることが大事。将来的には、今現在データを活用したマーケティングに取り組んでいる企業とそうでない企業で大きく差が出るのでは」と発言。また短期での投資効果だけを見ていると、大胆なデジタルシフトはなかなか実現しづらいかもしれない。5年、10年先の社会環境の変化を見据えることは非常に重要とも指摘した。
岡本氏は企業内で、デジタルマーケティングに対する意思統一ができていないという課題を踏まえ「専門の職種や部署が明確になっていない企業であっても、デジタル活用を率先して実践した人が、これまでの部門に限らず、予算を持ってくるような状況が起こるのではないか。既存の組織やそこでの役割をはみ出せる人の登場が企業の未来を開くのだと思う」と話した。
CFOやCIOも巻き込むことが必要
最後の質問は、障壁や課題を乗り越え、理想とするマーケティングを実現するために、マーケターはどのようなアクションをとるべきか。
岡本氏は、「Oracle Marketing Cloud」のようなデジタルツールを導入することでシームレスにつながり、大きなひとつのカスタマージャーニーのようなものを実現していくが、企業の組織はその動きに追いついていないと指摘。だからこそ、役職や部署の壁を破って動いていくことが大事だと、再度話した。
菅原氏も何を改善するのか、そのためにはどの部分の成長を評価すべきかをしっかり見極めた上で行動を起こすことをすすめた。「結果はやってみないとわからないが、何をアクションしたかがマーケターとして僕らの履歴書とか経歴になっていくので、そこは恐れずにやるべきだと思う」と話した。
横山氏は、マーケティングの予算を勝ち取るために経営陣に説明するための数字の裏付けをCFOやCIOといった人たちを巻き込みながら作っていくことが大事だと話した。「自らROI分析し、自分たちのマーケティング投資がKGIに対してどのような貢献をしているのかをつきつめていくと、わかりやすく可視化できる形で中間KPIのようなものができてくる」と話し、それを指標として向上するために試行錯誤できるように努力すべきだとまとめた。
企業のマーケティング活動において、デジタルへのシフトが不可欠なのは、疑いようのない事実である。とはいえ、今回のセッションでは社内上層部の理解やまた他部門との連携など課題も多く出てきた。
こうした状況においても社内の理解を得、その実践を推進していくためには、トライに対する成果を可視化し、具体的な成果を通じて理解を深めてもらうことが必要だ。
これまで世界の多くの企業でマーケティング活動のパフォーマンスアップに貢献した実績があり、加えてアクションから効果検証まで一気通貫でマーケターをサポートしてくれる「Oracle Marketing Cloud」は、デジタルマーケティング推進の旗振り役を目指すマーケターを支えてくれるソリューションと言えそうだ。