攻めのWebサイトで「個客」を惹きつける仕組み
~「個客」視点のコミュニケーションによるエクスペリエンスの向上方法とは~
サイトコア株式会社 マーケティンググループ本部長 片桐 佳江 氏
商品やサービスの購買意思決定には、Webから得られる情報が多大な影響を与えるようになった。企業が投入するデジタルマーケティングの予算も、2013年は昨年対比で9%増と増加傾向にある(出典:Gartner U.S. Digital Marketing Spending urvey, 2013)。
そのような流れの中、「Webサイトは製品カタログのように探しやすさに重きを置いた画一的ものから、訪問者を適切に誘導し営業を支援できる、動的にパーソナライズされたサイトへと変化する必要がある」とサイトコア マーケティング本部長の片桐佳江氏は指摘する。
攻めの事例として紹介されたのは、ECサイト、BtoBのビジネスを展開する企業サイト、会員向けサイトの3例。新規訪問者であっても、「アクセスしてきた地域」「流入経路」「使用端末」など閲覧者に関するデジタル上の情報を元に、コンテンツをパーソナライズして顧客を惹きつけている。
さらに、ECサイトであれば、閲覧履歴をもとにお勧めの商品やバナーを顧客に合ったものに動的に変化させ、BtoBではオンラインとオフラインの行動を組み合わせた履歴・傾向に応じてバナーやコンテンツを変化させることで、見込み客をホットリードへと育成し、営業活動の支援を実施。
事例を通して、攻めのWebサイトが果たすべき役割として、「売上の向上」「営業効率の向上」「既存顧客の満足度向上」を紹介した。
顧客を惹きつけるWebを支える配信プラットフォーム
アカマイ・テクノロジーズ合同会社 マーケティング本部
プロダクト・マーケティング・マネージャー 岡本 智史 氏
Web上に蓄積した膨大な量のデータをどのように運用・配信すれば、望んだ効果が効率的に得られるのか、頭を悩ませる担当者は少なくない。一方で、ネット検索やネット通販が日常生活に浸透し、Webサイトには情報取得や決済がストレスなくスムーズにできるパフォーマンスが求められるようになった。
米国ABERDEENグループは、1万社を対象とした調査で、ページの表示時間がたった1秒遅れるだけで、顧客満足度は16%低下、ページビュー数は11%減少、コンバージョン率は7%低下となるというデータを発表している。例えば1日に1000万円を売り上げるサイトでは、年間2億5000万円以上もの損失が起きているということになる。
岡本智史氏は、「情報量が増えた現在のWebサイトはリッチ化が進み、ユーザーが様々なデバイスから接触してくるため、チューニング対象の属性の組み合わせが複雑化し、Webサイトの高速化は非常に難しい状況。だが、昨年、当社のアドバンス機能を導入したサイバーエージェント『アメーバブログ』では、読み込み時間が3分の1に短縮して、ユーザー数が増加した」と話した。
こういったパフォーマンス向上の他、最近深刻な社会問題となっているセキュリティー対策や、アクセスが集中した際に負荷をオフロードする機能、どのようなディスプレーのサイズの端末にも対応して美しい画面を表示でき、大幅なコスト削減にもつながるイメージコンバーター機能などを紹介した。