意志を持った妄想力
紙芝居の師匠ヤッサンがよく言っていました。
「大風呂敷を広げよ」「俺は紙芝居でノーベル賞をとるんだ」「過ぎなければおよばざるがわからない。行き過ぎたら一歩戻ればいい」(詳細は、「世界一の紙芝居屋ヤッサンの教え」参照)
講座でも「妄想力」という言葉を使っておられた講師の先生がおられ、大変印象に残っています。
毎日がどうしても目の前のことで精一杯になってしまい、先のことまでが考えられない。昨日何をしたかも、一週間の記憶も定かではないことがあります。いろんな意見を持った人がいて、行ったり来たりしていると、ふと妥協点を探ることに注力している自分がいたりもします。
そんな中で、目の前の課題から離れて、もう5歩、10歩、先のことを考えて「自分はもっとこうしたい」「世の中がもっとこうであったらいいのに」と考えることが大事だとつくづく思うのです。
流れゆく日々の中で、自分が埋もれてしまわぬためには、「創造力」くらいでは立ち向かえない。いっそのこと、「妄想力」と割り切った心づもりをせねばならないのだと、自分の中では解釈をしています。
前半の相手ありきの想像力の話と、自分の意志を先行させる妄想力の話、一見矛盾しているように思えるかもしれませんが、両方のバランス感覚を大事にしたいと思う、3年目の秋です。
髙田真理(たかたまり)
電通関西支社 マーケティングデザイン局所属。
2012年に京都大学大学院農学研究科を修了、入社以来プランナーとして広告戦略の立案などに従事。新入社員時代にコピーライター養成講座基礎コースを受講。
第7回OAAA広告エッセイ大賞グランプリ受賞、2014年9月「世界一の紙芝居屋ヤッサンの教え(ダイヤモンド社)」を出版。趣味はミュージアム巡り。
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