惜しい!実感とズレた表示——現場の身体感覚を大切に

近頃は、単にデザインの美を追求して、余白を大きく取って文字をわざと小さくした(高齢者に冷淡な)“ええカッコしい”の案内表示板も少なくありません。けれど[写真⑤]は、そんな狙いを持っているわけでもなく、ただ単に、パソコンで文字を打っている時には、十分読めるサイズにしているつもりだったのでしょう。室内では大きすぎるぐらいに見えた文字が、外界に置いてみたら「あれ、こんなに小さいの!?」とビックリすることは、少なくありません。これもまた、現場の身体感覚とのズレです。

メッセージは、《ここにいる自分》ではなく、《現場にいる相手》に届けるもの。その基本を忘れなければ、「惜しい!」はきっと減らせます。

当コラムは、全12回シリーズをこれにて終了します。ご愛読ありがとうございました。

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下村 健一(慶応義塾大学特別招聘教授)
下村 健一(慶応義塾大学特別招聘教授)

1960年東京都生まれ、東大法学部卒。TBS報道アナからフリーに転じ、「サタデーずばッと!」、「NEWS23」などに出演。2年間の内閣広報室審議官(民間登用)を経て、現在、関西大・白鴎大などでも教鞭を執る。主著『首相官邸で働いてみて初めてわかったこと』(朝日新書)。

HP:http://shimomuraken1.com/
twitter:ken1shimomura

下村 健一(慶応義塾大学特別招聘教授)

1960年東京都生まれ、東大法学部卒。TBS報道アナからフリーに転じ、「サタデーずばッと!」、「NEWS23」などに出演。2年間の内閣広報室審議官(民間登用)を経て、現在、関西大・白鴎大などでも教鞭を執る。主著『首相官邸で働いてみて初めてわかったこと』(朝日新書)。

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