いま広告に平賀源内の発想が求められている

Facebookニュースフィードの仕組み

Facebookは全世界で13億人の月間アクティブユーザーを抱える巨大なサービスです。日本でも2300万人のアクティブユーザーがいます。ユーザーは実名で登録して、実社会でつながりのある友人や知人、家族とのコミュニケーションに活用しています。
Facebook体験の中心になるのが「ニュースフィード」と呼ばれる、ユーザーごとにカスタマイズされた、友人や企業からの情報が表示される場所です。
ただし、Facebookのニュースフィードはアクセスした時点での、自分とつながりのある友人やビジネスの投稿のすべてが時系列に表示されるわけではありません。
ニュースフィード上でユーザーは、自分の行けなかった故郷での同窓会の写真に「いいね!」をしたり、友達の出産の報告におめでとうのコメントをしたり、気になるニューストピックをシェアしたりします。

そしてFacebookのアルゴリズムが「この人とこの人の関係は深そうだな」「この投稿は多くの人が反応しているから重要なんだな」といった判断をして、あなたのニュースフィードが構成されます(もちろん「ついさっき投稿されたフレッシュな話題だな」という時間軸も考慮されます)。

このエンジニアリングの裏にある思想が「情報のレレバンシー(Relevancy):関係性」です。Aさんにとってはレレバンシーのある情報も、Bさんにとってのレレバンシーは必ずしもないかもしれない。この判断をさまざまな要素から算出するのがFacebook ニュースフィードのアルゴリズムなのです。
テレビのニュースや新聞の紙面構成は、「今日、世界中で起きている出来事のうち、日本人の大勢にとって重要なニュースの順番はこうだろう」ということで決定されていきます。

Facebookのニュースフィードは「あなたにとって重要なニュースはこれですよね?」とアルゴリズムがユーザーごとにカスタムメイドで提案してくれます。

みんなが「いいね!」しているハリウッドセレブの話題よりも、釣り仲間が誇らしげに抱えている魚の写真のほうが、あなたにとっては重要なニュースかもしれません。さらにその友人の釣り上げた魚の写真にあなたが「いいね!」やコメントすることで、さらにアルゴリズムは学習していきます。

もちろん「ちがうよ」と意思表示することも投稿の右上の「x」ボタンをクリックすることで出来ますし、その反応は今後のあなたのニュースフィードの構成に際してアルゴリズムに反映されます。
Facebookニュースフィードの仕組み、ご理解いただけたでしょうか?

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須田伸(フェイスブック執行役員 マーケティング本部長)
須田伸(フェイスブック執行役員 マーケティング本部長)

1967年、大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1992年より博報堂制作局にてCMプランナー/コピーライターとして8年間勤務。ACC賞、日経広告賞、消費者のためになった広告コンクール金賞など受賞多数。1998年カンヌ国際広告祭ヤングクリエイティブコンペティションに日本代表コピーライターとして出場。2000年より2年間Yahoo!Japanに勤務し、初代Y Chat MCとして「インターネット市民集会 with 鳩山由起夫」など数多くのライブチャットイベントを企画実行。
2002年より2012年まで10年間、サイバーエージェントに勤務し、同社のブランドをアメーバに一新する。「サイバーエージェント/アメーバ」は、2008年度グッドデザイン賞を受賞。
勤務のかたわら日経ビジネスオンラインにて「Web2.0(笑)の広告学」を連載。2012年4月よりFacebookJapanに勤務。
著書に『次世代広告進化論』『次世代広告テクノロジー』『時代はブログる!』など。

須田伸(フェイスブック執行役員 マーケティング本部長)

1967年、大阪府生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1992年より博報堂制作局にてCMプランナー/コピーライターとして8年間勤務。ACC賞、日経広告賞、消費者のためになった広告コンクール金賞など受賞多数。1998年カンヌ国際広告祭ヤングクリエイティブコンペティションに日本代表コピーライターとして出場。2000年より2年間Yahoo!Japanに勤務し、初代Y Chat MCとして「インターネット市民集会 with 鳩山由起夫」など数多くのライブチャットイベントを企画実行。
2002年より2012年まで10年間、サイバーエージェントに勤務し、同社のブランドをアメーバに一新する。「サイバーエージェント/アメーバ」は、2008年度グッドデザイン賞を受賞。
勤務のかたわら日経ビジネスオンラインにて「Web2.0(笑)の広告学」を連載。2012年4月よりFacebookJapanに勤務。
著書に『次世代広告進化論』『次世代広告テクノロジー』『時代はブログる!』など。

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