サービスの内容は、なるべく「かゆい所に手が届く」といった気の利いた感じがいいですね。ただし、なるべくヨソの店では行われていない独自のサービスである点にはこだわりたいところです。他店(通販他社も含む)になびきそうな顧客を、オリジナルのサービスによって誘い込む、あるいは既存顧客を外へ逃がさないことが目的です。一度始めたサービスを途中で引っ込めるのもカッコ悪いでしょうから、サービスに無理がないか期間を区切ってテストしてみてもいいでしょう。かかる経費の半額をいただいて「有料サービス」でもいいでしょう。どんなに細やかなアイディアでもかまいません。そうした顧客サービスに取り組んでいること、それをコピーの中で情報として伝えることが肝心なのです。
もちろん、新しい施策には経費がかかるでしょうが、有料サービスのほか、サービスの提供範囲を顧客層や世代別に設定したり、商品ジャンルやカタログ単位で限定すれば「持ち出し分」を抑えることができます。購入者全員を対象とする商品価格割引や送料無料、ポイント付与といった負担の大きい還元策に走るより、こうしたきめ細やかなサービスを積み重ねるほうが、顧客の目に新鮮に映る分だけ実効は広がると思います。
でも、そういう取引やアフターサービスを決めるのは、コピーを書くのとは別の仕事だよ!の声が聞こえてきそうですが、「商品情報+取引情報」のパッケージが一つの通販コピーだとすれば、コピー中に「他店よりもウチを選んでもらえる要素」が入っているかどうか?… 最初に判断できるのはコピーライターだと思います。もしも、コピーを書きながら「商品自体の情報だけでは訴求力が弱い!」と感じたら、商品力とは別の顧客メリットを足す必要がある!と、サービス企画担当者や経営側に提案してみてはどうでしょうか(企業内のコピーライターじゃないと難しいでしょうけど)。取引に関するサービスは、その発想に企業の考え方が表れます。どんなサービスをすれば顧客の信頼を得ることができるのか? 企業の代弁者として、その「表現」を考えるのもコピーライターの仕事だと思います。
▼向田さんが講師を務める「コピーライター養成講座 ボディコピー特訓コース」詳細はこちら