スキルの掛け算で自身の希少価値を高めてほしい
——スキル的な側面についてお話いただきましたが、少し変わって、プロダクト開発に対する考え方の面ではどういったものを求めてらっしゃるのでしょうか?
昨今、当社のデジタルマーケティング事業がサービス展開をする中で、「テクノロジーが入っていない箇所にテクノロジーを入れることで産業化する」ということの可能性を感じています。たとえば、当社が得意とする「店頭での購買情報を取れる仕組み」。ポイントカードと連携していたり、ユーザーから撮影したレシート画像を送ってもらい、それを社内で入力したりしているのですが、これなどまさに「マーケティングテクノロジーが介入できていなかった店頭購買という領域にテクノロジーを介入させて新しい付加価値が生まれた」よい事例だと思っています。これに限らず、今後も日々のお客様との会話の中から次の商品が生まれてくるのが理想的ですね。
——御社はBtoBのデジタルマーケティング分野のみならず、BtoCのソーシャルゲームの分野も手掛けています。生活者が対象のゲームとなるとマーケティングは変わってくるのでしょうか?
生活者に直接コンテンツを販売する「ゲーム」を運営する中で培ったノウハウは、BtoBだけを展開していては決して得られない力だと思っており、非常に強力だと感じています。当社のエンジニアやクリエイティブ職など制作・開発部門のスタッフは、企業向けのマーケティングサービスと生活者向けのゲームの両方の業務を行っているので、当社が開発を担当するサービスのマーケティングにおいてはシナジー効果が生まれておりまして、例えば、ソーシャルゲームの「ユーザーの課金を促す仕組み」を、BtoBのサービスに応用することで、通常のWebキャンペーンを単に展開しただけでは得られない大きな反響が実現できています。
——そういったシナジー効果は、職能の幅を広げられる環境が整っているからこそだと感じました。
そうですね。当社は制作から販売までのあらゆる機能を自社で完結して行っているので、意識して自分の視野を広げるだけで営業担当者でも制作に携われるし、逆に制作担当者がお客様の前に行くこともできます。こうした環境をフルに生かして主体性を持って自分の仕事の幅を広げて行ってほしいと思っています。例えばデザイナーとしてはそこそこかもしれないけれど「データマイニングができるデザイナー」というのはなかなかいないでしょうから、希少価値が高まる。というように、自身のキャリアの積み方を考え、それぞれ自分だけの武器を持ってほしいですね。