壁にぶつかったあなたに、伝えたいこと。
ある日、仕事を続けながら3人の子どもを育てているライターの先輩に取材をしました。想像以上の壮絶な話を聞いて、インタビュアーとしての自信をますます失っていた私に、先輩はこんな言葉をかけてくれました。
「経験してないからこそ、書けることがあるんじゃない?華井さんは、将来の夢を探している学生や、就職活動で困っている女の子の気持ちがわかるでしょう?」
就職活動で50社落ちても、憧れ続けた出版社に入れなくても、広告賞に落ち続けても、ライフイベントを全く経験していなくても、そんな私だからこそ、できることがあると気づかせてもらえた瞬間でした。
取材中、どんなつらい人生を語った人も、子どもの姿を思い出して微笑み、仕事内容をいきいきと話し、そろって「後悔はひとつもしてないわ」と笑います。そんなたくましい女性の姿を書いていきたいと、私は改めて思いました。そして、そうなるための方法を伝えていかなければならないと思っています。
実際、女子大でクリエイティブ職に関する授業をしたとき、学生からこんなメッセージが届きました。
「私は、なんとなく事務職について、なんとなく結婚するんだと思っていました。でも本当は、新しいアイデアを考えることが大好きなんです。クリエイティブ職について、自分でもっと調べてみようと思います」
きっかけひとつで、夢の歯車は動き出すものです。そのきっかけは私のように、宣伝会議の講座かもしれないし、旅先で出会うものかもしれない。案外、日常に転がっているかもしれません。でも全てに共通して言えるのは「何もしなかったら、ゼロのままだよ」ということだと思います。
就職活動をしている皆さん、仕事に悩んでいる皆さん。経験が無いことを恥じず、まずは一歩踏み出してみてください。あなただからできることが、きっとあるはずです。
ここまでコラムを読んでくださって、本当にありがとうございました。
華井 ゆりな
愛知県生まれ。コピーライターとして、トヨタ系企業、大手飲食チェーン、病院、私立大学、専門学校など、多種多様な企業の取材を行いながら、本を執筆中。「コピーライター養成講座 基礎コース」「文章力養成講座」「プロモーショナル・マーケター養成講座」「編集・ライター養成講座 総合コース」修了生。
『編集・ライター養成講座 総合コース』
講師陣は、総合誌、週刊誌、ビジネス誌、ファッション誌、Webメディアなどさまざまな分野の現役編集長や、第一線で活躍中のライター・ジャーナリスト・作家など。多くの課題添削、実践トレーニングを通じて、現場で活躍できる編集者、ライターを養成します。