なぜこの一歩を踏み出す事が出来たか?
それは、自分がWeb担当になる時に先輩から教えられた言葉にありました。
「軸足は社内に置き、もう片方の足は社外に出しなさい」
社内と社外どちらの立場でも考えることができ、そして使い分けることがこれからのWebマーケターには大切なことだと教えられたからです。
ここからソーシャルメディア活用のために社内調整を始めるのですが、とても険しい道となりました。ちょうどその頃は、ソーシャルメディアを使っている企業が炎上しニュースとなっていた時期でもあり社内の反応は、
・ソーシャルメディアってなに?炎上するんでしょ?
・ガイドラインは?
・悪口に対してどう対応するの?
・監視は?
これでもかと言うくらいの質問と拒否反応にひとつひとつ説明し理解を求める必要がありました。そして最後にキメ台詞は、
「悪口も書かれるかもしれません。それよりも評価してくれる人たちの声を可視化して、サッポロビールのファンになってもらうことが重要ではないですか?」
同時に社内勉強会を実施しました。ソーシャルメディアを活用したい社員が自分の周りに多くおり、アカウントの取得から設定方法、そしてソーシャル上の作法を一緒に勉強することで、それをヒントにガイドライン策定やサッポロビールFacebookページの目的やターゲット、運営方法が決まって行きました。この社内調整に費やした1ヶ月は、ソーシャルメディアを運用する上でとても意義のある時間となりました。現在では、ブランド施策内にもソーシャルメディアを使ったキャンペーンが取り込まれるようになってきました。
「企業の想い」を伝えるデジタル
サッポロビールが考えるデジタルマーケティングとは、インターネットやSNSといったデジタルが台頭し、それを利用する消費者が求める価値観が変わる中、これからのマーケティングスタイルは変化せざるを得ない状況にあります。
従来型の「商品を伝える」という軸、(つまり価格や機能性を伝えることや流通向け施策の結果)での買われ方に加え、デジタルだからこそできる「企業の想い」を伝えることで、相互に理解しあい、深い関係を気づくこと、ファン化させることがデジタルマーケティングの根幹となっていくと考えています。
ともあれ、ソーシャルメディアの活用に突き進むきっかけとなったのは、「軸足は社内に置き、もう片方の足は社外に出しなさい」という先輩からの教えだったのです。
次回は、すべての投稿を内製化している、ソーシャルメディアの運用体制についてお話しします。
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森 勇一
2009年よりサッポロブランド戦略部宣伝室に異動しWEBサイトリニューアルを実施。現在サッポロビールWEBサイトを担当し、ソーシャルメディアなどにも取り組む。
2013年11月、インターネット分野で優れた成果を挙げた人材を表彰する第1回Webグランプリ(日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会主催)の「Web人部門」にて、ビール業界で初めて企業公式フェイスブックページを立ち上げるなど、ソーシャルメディアを活用した取り組みが評価され「Web人大賞」を受賞。