PLUG
消費者に一番近い場所でデザインを作る
一新したオフィスにて。デザイナーとリサーチャーが同じ目標を持つパートナーとして一緒にチームを組む。
制作会社PLUGの最大の強みは、クライアントの立場で考える商品づくりにある。企業の目標や成功に貢献するためにクライアントと二人三脚で歩みながら、毎回、多彩な解決策を提案している。
「クライアントの成功や課題とは何か? 課題をデザインという目に見える形にし、まずはそこから膝を付き合わせて明らかにしていきます。頂上(目標)に向かう登山の道筋がいくつかあるなかで、どの道を選ぶべきなのか、その方法をデザインと消費者調査の両面から考えます」(小川亮さん・代表)。
インタビュールーム
それができるのは、デザインと消費者調査に十分な実績と経験があるからだ。PLUG内のリサーチチームは18人のモデレータと2つの消費者ヒアリング用の専門のFGIルームを構え、年間約1300インタビューの実績を持っている。
豊富な調査経験スキルと100万人以上の消費者モニターによって、総合的な消費者調査を20 年以上続けてきた。
デザインチームは、キッコーマン「本つゆ」、興和「バンテリンコーワ」など馴染み深いパッケージデザインを中心に年間200以上の商品開発に16年以上携わる。
20人のデザイナーに加え、国内外のクリエイターとチームを組み協働する独自の制作プロセスで幅広いデザインを提供してきた。
長年のキャリアを有するデザイナーとデータ解析業務に携わってきた消費者調査のスペシャリストが一体のチームとなり、消費者目線からのコミュニケーションのストーリーを掛け合わせ、クライアントの伝えたいメッセージが生活者の心にできる限り響くデザインを目指している。このような商品開発のワークプロセスは珍しいケースだ。
たとえば、富士里和製紙のトイレットペーパー(8ロール)のパッケージデザイン開発では、デザイナーとリサーチャーがペアになって5つのチームを作り、市街地のお店で買い物をする消費者を観察した。実地インタビューを試みたところ、①取手が食い込んで痛そう②自転車のハンドルに引っ掛けて運ぶのはバランスが悪い③抱えて持つとそれ以上の買い物ができない④持ち帰る姿に違和感がある…など持ち運びで課題が続出していることがわかった。
消費者の課題をどうデザインで解決できるのか。デザイナーとリサーチャーがアイデアを持ち寄り、議論を繰り返した。
「これまで、リサーチャーとデザイナーとの関係は、お互いの意見が対立しがちでした。当社では、同じ目標を持つパートナーとして協調関係にあります」(小川亮さん)。