世界の広告専門のジャーナリストたちが審査員を務めるフランス発の国際広告賞「Epica Awards」の今年の審査結果が発表された。
選出されたグランプリは全部で5つ。フィルム部門からはGE「The Boy Who Beeps」、プレス部門からはVirgin Radio「Making Music」、アウトドア部門からは国立自然史博物館「Paris Zoo」、デジタル部門からはP&G「Always Like A Girl」、Google「Night Walk in Marseille」の2点が選ばれた。
フィルム部門グランプリ
GE「The Boy Who Beeps」(BBDO New York/アメリカ)
生まれながらに声がビープ音の男の子が主人公の物語。男の子はその声で機械を操作することができ、好きな女の子に自動販売機でジュースを出してあげたり、街の停電を回復させるなど大活躍。タグラインは「機械と会話ができれば、世界は変えられる」。
プレス部門グランプリ
Virgin Radio「Making Music」(Leo Burnett Beirut/レバノン)
アウトドア部門
国立自然史博物館「Paris Zoo」(Publicis Conseil France)
デジタル部門
P&G「Always Like A Girl」(Leo Burnett Toronto/カナダ)
P&Gの生理用品「Always」のバイラル動画。数名の男女にカメラの前に立ってもらい、「“女の子らしく”橋ってみて」「女の子らしく投げてみて」などと指示を出すと、一様にぶりっ子のような動作をするが、小学生くらいの女の子に同じ質問をすると、全力で走り、ボールを投げる。本当の「女の子らしさ」の意味を見る側に問いかける。
Google「Night Walk in Marseille」(72andSunny/オランダ)
大きく進化した新しいGoogleMapでフランス・マルセイユの街を散歩できる。街で耳にする環境音など、これまでのストリートビューを圧倒的に上回る臨場感で、海外旅行をしているかのような気分が味わえる。
審査員を務めたファストカンパニー「Co. Create」誌のシニアエディターTeressa Iezziは、GE「The Boy Who Beeps」に関して、「この動画は、GEが自身の物語と製品をもって構築しようとしている大きな物語のうちの一部。審査員にとって、非常にエモーショナルでインパクトを持っていた」と述べている。
日本からは、ゴールド:葵鐘会・ベルネット「MOTHER BOOK」(電通中部支社)、ブロンズ:P&G ヘアレシピ「Precise Recipe」(GREY)、ブロンズ:吉田秀雄記念事業財団 D&AD「美しきブラックリスト」展(電通)の3点が受賞した。
ネットワークオブザイヤーはレオ・バーネットが、エージェンシーオブザイヤーはAdam&EveDDBが受賞。国別で最も受賞が多かったのはフランスだった。
2014年のEpica Awardsは世界74の国・585のエージェンシーから応募があり、日本からは5社11作品の応募。
世界35カ国から45人の編集者や記者らが審査を行い、宣伝会議も今年から審査に参加した。