【前回の記事「「安い」が通用しない時代の通販コピーとは?」はこちら】
過日、コピーライター養成講座「ボディコピー特訓コース」の講師として行ってまいりました。
受講生の皆さんには、事前に配布しておいた商品資料を参考に、あらかじめ新聞広告用のキャッチフレーズ+400字程度のボディコピーを書いてもらいました。そして講義の1週間ほど前、添削用に送られてきた原稿を見て驚いたのは、ほとんどの人のコピーが「である調」で書かれていたことでした。
講義の日、まず受講生の皆さんに尋ねました。「今回の課題をイメージコピーとして書いたという方は挙手を…」。想像通り、半分以上の人の手が上がりました。
イメージコピーは、商品や企業の認知を広めるブランディング広告などに多く見られますが、商品を直接売る通販コピーとは性質が異なります。そのことは受講生の皆さんも知っていたと思いますが、とくに指示を与えないと、多くの人が「である調」で「イメージコピー」を書くのです。さらに、それらの原稿には共通点がありました。短い言葉や体言止めのフレーズを1行に一つずつ並べた詩歌(ポエム)のような作品が多かったこと。そこであらためて感じたのは、「である調」「イメージ」「ポエム」は、見えない糸でつながっているということです。
僕は今でも、文章を「ですます調」で書くことが多いのですが、そのきっかけは新人コピーライターだった頃、上司から受けた「である禁止令」でした。当時の上司いわく、「キミのコピーはイメージで書いているから何も伝わってこない。身の丈でいいから本当の自分の言葉で書く癖をつけよ。だから、しばらくの間、である調を使うな!」
当時は、「イメージ=である調」の関係性にいま一つピンときていませんでしたが、仕方なくコピーを「ですます調」で書いていると、半年後くらい経った頃からでしょうか…だんだんとペンがスムーズに運ぶようになっていることに気づきました。「である調」で書いていた時と比べると、同じ時間で埋まる原稿の量が増えている! その理由は、記述が以前より「具体的」になっていることでした。