福島CEOはまれにみる“インターネット業界の鬼才“
筆者はお二人と話していて気が付いた点として個人的な見解を書きたい。福島CEOは鬼才と呼んだ方がよいかもしれない天才肌の人物で、インターネット業界を変える可能性を感じさせてくれた。しかしそれと同時に、自分の興味範囲に関して深く入り過ぎるために専門知識のない相手に対しては説明不足になり理解されない、場合によっては誤解されることがあるのではと考える。
福島氏は、物事の本質を因数分解し見極め、また事象を一般化して考えるという研究者らしい一面を持つ。東大大学院1年で人工知能の研究をしているときに多くのニュースを見ている自分の情報収集を効率良くするためにキュレーション事業を始めたということである。人工知能を用いてTwitterやFacebookのデータを解析し人気のトピックを判別して配信するアルゴリズムを用いたAPIをプログラムし個人Newsを配信していたのがGunosyの原点であるという。最近では戦略構築などCEOとしての活動に専念しているので自分でプログラムを書く機会は少ないということだが、人工知能を活用したキュレーションアルゴリズムの進化、特に最近はDeep Learning (深層学習)の活用やシリコンバレーの起業家の言動に注目しているということである。一方でCOOの竹谷氏はグリーを経て2013年1月に同社に参画し、現在は戦略的提携の担当をしているという。お二人には小一時間で多くの話を聞いたのであるが、将来のサービス構想も含まれているのでそれらが具現化した段階でまた紹介したい。また同社には8月まで投資家の木村新司氏が共同CEOに就いていたが退任している。
Gunosyのアプリは順調で年内に800万ダウンロードを見据えているということである。さらに2013年4月にはわずか4~5人の陣容であったが今では60人近くまで急成長しており、近日中に90人体制にしたいという。以前の記事でも紹介した通り資金も豊富に調達し、12月には新オフィスを六本木ヒルズに構えるということである。かつての急成長したインターネットベンチャーを彷彿とさせる飛躍ぶりであるがそれだけに言動も注目されるために、世の中の価値や生活者の利便性向上のためにより良いサービスを提供していただきたいと考えている。
本コラムも次回で記念すべき200回となる。次回はこれまで支えてくれた皆様に感謝を込めて過去の振り返りと、今後に向けたWeb業界の展望などを書いてみたいと思う。
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