国境もデジタルの境界もチームで乗り越える

グランドデザイン

ホノルルがグランドデザインと改名。日々めまぐるしく変化するデジタル分野への対応と、国際色豊かな組織作りで、常に新しいクリエイティブを提案する。
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02 パナソニックエアコン2014 年中国版広告
03 パナソニック100 周年記念グローバル広告
04 パナソニック冷蔵庫2014 年中国版広告
05 JT Pianissimo ICENE パッケージデザイン
06 ユーキャン スマートフォンサイト保育士講座

中国進出の日本企業をサポート

クリエイティブラボ・ホノルルは、2014年8月に上海会社と統一名の 、グランドデザインとして新たな一歩を踏み出した。

来年の香港会社開設をきっかけに、これまで日本と上海で別の社名を名乗っていた状況を解消し、グランドデザインに統一。社名について、代表の西克徳さんは「クリエイティブの世界ですべての基礎となるような全体設計を行う会社なので、私たちの行動そのものを表現した名前になっています」と話す。

今年4月には、Web制作会社ラナデザインアソシエイツと共同出資でクリエイティブエージェンシー・ラナグランドを設立。

Webは集合知の世界でもあり、利用者が多い方が進歩の度合いも早くなる。人口の多い中国はデジタルの世界でも優秀な人材を抱えている。イノベーティブに長けた日本の優秀な人材と融合することで新しい化学反応を生み出せるようになる。

「大陸のことを知った上で日本にチームとワークステーションを作って動く方が良いものが作れるのではないかと考えました」(西さん)。

同社のように、日本、中国に加えて香港や台湾と国境を越えて活動するクリエイティブ制作会社は少なく、中国に進出する企業からの依頼も多い。

パナソニックの海外マーケティング本部との仕事では、担当者が日本と中国を行き来しており、上海と東京に事務所を構え、どちらでもコンタクトできる同社の体制は大きなアドバンテージとなった。

東京事務所を窓口としているが「僕たちは東京で作っても上海で作っても一緒。どちらにも中国人スタッフがいて、中国の市場動向、消費者インサイトもわかっているので、パナソニックの仕事はチームの特徴にピタリとハマっています」(西さん)。

中国市場に対する一定の理解があるクライアントに対して、ただ日本式の提案をするのではなく、中国国内事情を知った上で外部の視点から提案するという同社のチームづくりがクライアントの要求と合致したかたちだ。

国境だけでなく、ラナグランドができたことでデジタルとアナログの境界も超えようとしている。

通信教育を手がけるユーキャンは、新聞広告の効果が下がっているという課題を持っていた。この課題に対して、短期的な解決を求めるのではなく、中長期的な視野に立ち、Webサイトのスマートフォンへの最適化を提案した。

テレビCMの「手軽で簡単」というイメージとWebサイトの教材説明というコミュニケーション手法に温度差を感じ、これがサイトの離脱率や入会希望者数に影響しているという仮説の元、テレビCMとの温度差をなくすようなサイト設計を行った。

その結果、手がけた講座の入会者数が総じて上向きの結果につながった。

広告の視点で課題を分析し、デジタルで最新デバイスのデザインにも対応できるチーム体制が新たな提案とソリューションの源になっている。

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