ジョブズがマーケティング嫌いだった訳を考える「マーケターはグロースハッカーにもなれ」

マーケティングとエンジニアリングの融合?

グロースハッカーの業務は、それぞれのステップの分析、アクションのようなスピードの速い改善行動にあわせて、PMF(プロダクトマーケットフィット)のように、商品そのものが自動的に自発的に普及していく仕組みと閾値を目指すことがゴール設定になっていますが、このようなスキルはマーケティングというよりも、製品についての完成度を上げていくエンジニアの資質に近いものです。

マーケティングにエンジニアリングの能力を組み合わせるというと都合がよく聞こえますが、むしろこれはブランドにおける役割やサイロとして分割していた職務がテクノロジーや市場の要請によってふたたび統合されたと考えるべきなのでしょう。ジョブズはおそらくその意味でのグロースハッカーであったと言えます。

マーケターはグロースハッカー以上に進化すべき

ジョブズはかつて製品パッケージのダンボール箱の色が悪いという理由で出荷直前の商品を止めたことがあります。それは、当時のパソコンショップでは箱がそのまま山積みになって売られるために、段ボール箱の色そのものがマーチャンダイズとしてのブランドの品質や広告を代弁していたという状況をよく理解していたからだと言われています。

グロースハッカーという言葉はデジタルサービス企業でしか機能しないような言われ方をしていますが、そのプロセスが内包するファーストプロトタイピング、アジャイル開発、カスタマーエクスペリエンスを中心とした改善アクションなどの方法論が、おそらく「破壊的イノベーション」を起こすには十分なインパクトをもっていると思います。

その意味で、今後生きていくマーケターはグロースハッカーという名で呼ばれようが、データサイエンティストであろうがエンジニアであろうがデザイナーであろうが、自身のビジネスの成長のために、そのすべてを取り込まなければ生きていけないはずです。そのことを肝に銘じて今後のデジタルマーケティングに関して不安と期待と使命をもって取り組みたいと思います。


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デジタルマーケティング用語辞典
デジタルマーケティング用語辞典

■朝火英樹(ソフトバンクモバイル マーケティング・コミュニケーション本部 Webコミュニケーション部 担当部長)


1990年 国内メーカ入社。インターネットプロバイダ事業部門や全社統括するマーケティング・コミュニケーション部門を経て、2012年10月ソフトバンクモバイルに入社。現在、ソフトバンクモバイルのマーケティング・コミュニケーション部門にてWebを軸としたマーケティング業務を推進。日本アドバタイザーズ協会(JAA)デジタルメディア委員会 委員長。ネットPR「ニューズ・ツー・ユー」ユーザー会 会長。



■鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)


1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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■朝火英樹(ソフトバンクモバイル マーケティング・コミュニケーション本部 Webコミュニケーション部 担当部長)


1990年 国内メーカ入社。インターネットプロバイダ事業部門や全社統括するマーケティング・コミュニケーション部門を経て、2012年10月ソフトバンクモバイルに入社。現在、ソフトバンクモバイルのマーケティング・コミュニケーション部門にてWebを軸としたマーケティング業務を推進。日本アドバタイザーズ協会(JAA)デジタルメディア委員会 委員長。ネットPR「ニューズ・ツー・ユー」ユーザー会 会長。



■鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)


1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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