宣伝会議発行の月刊『広報会議』が11月、全国の男女500人(20代~80代)を対象に実施した、2014年に発生した企業や個人の不祥事に関する調査では、73.8%が「印象に残った不祥事について、家族や友人、同僚などとリアルの場で話題にした」と回答し、一連の謝罪会見への注目度の高さがうかがえる結果となった。
具体的に、どのような内容の会話が交わされたのか–。自由筆記で回答してもらったところ、最も印象に残ったと回答した人が多かった、理化学研究所の小保方晴子氏については「(友人と)小保方さんは今後どうなってしまうのか」(22歳・男性・京都府)、「(母と)もう放っといてあげればいいのに」(29歳・神奈川県・女性)などといった、「リケジョの星」から転落した小保方氏の今後について話題にしたという声が多かった。
同じくネットユーザーから高い関心を呼んだ、野々村竜太郎元兵庫県議の「号泣会見」については、「(親と)すごいキャラクターだねと話した」(29歳・女性・東京都)「(夫と)取り乱しっぷりが話題になった」など、インパクトが強かった記者会見での様子が話題に上った。
一方、佐村川内守氏のゴーストライター使用に関する会見については「(音楽仲間と)後輩に○○河内とあだ名を付けた」など、仲間内の間でモノマネやパロディが流行ったという声も聞かれた。
こうした高い関心の裏側には、繰り返し放送されたテレビの影響が強い。印象に残った不祥事について最もよく目にした媒体を聞いたところ、70.4%が「ニュース番組」と回答。続報によって、一定期間繰り返し報じられたことで広くお茶の間に伝播し、視聴者に強い印象を残したことが大きく関係したといえそうだ。
アンケートでは、SNSによる情報伝播についても聞いた。この結果、42.4%が「印象に残った不祥事について、SNSで話題になっているのを見た」と回答。20代、30代では半数以上がこうした話題についてみたと答えており、ネガティブ情報の高い伝播力が明らかになった。
一方、「SNSやネット上で実際に書き込みをした」と回答したのは、5.8%という結果に。ネット上の評判をモニタリングする企業も増えている中、企業はこうした発信者の声にいかに向き合っていくのか判断が分かれそうだ。
ネットユーザーが選んだ 2014年ワースト謝罪会見ランキング
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