編集者として、人と人の狭間を埋めていきたい。

単著ではなく、シリーズで書籍を企画する

編集といっても、さまざまなジャンル・手段がありますが、私の場合は、自分が所属していたディスカヴァーが強いビジネス書の企画を考えることから始めました。営業の経験からか店頭でインパクトを出すためにも、単発の書籍ではなく、シリーズで届けていくことを決め、誰をターゲットに、どんなテーマで、誰に書いてもらって、どうやって届けるのか、を次のように詰めていきました。

ターゲット:同世代の25歳以下の将来に悩む若者に向けて
テーマ:前向きに時代を生き抜くための考え方、やり方、働き方を
著者:雲の上の存在ではなく、ちょっと身近な挑戦者たちに学び
方法:書籍(だけでなくWEBとリアルなイベント)で届けていく

当時は何もかもが初めてだったのでここに至るまでも、自分の問題意識をとことん掘り下げたり、友人や後輩に話を聞いたり、大学に乗り込んだり……とにかくこのことを考えない日はないくらい必至でした。若者に向けたシリーズを立ち上げたいと思ってから、2冊を創刊するまで10ヶ月ほどかかってしまいました。

25歳が25歳に贈る25歳のための本

企画を考えていた当時は入社3年目に差し掛かる頃で、自分の周りでも同世代の子たちが会社を辞めたり、自分の将来に悩んでいました。聞けば「社内にロールモデルがいなくて、将来像が描けない」という。だったら、コンテンツとして、既存の枠にとらわれない多様な働き方を提示していくことができたら、考え行動するきっかけになるのではないか、そんな思いがありました。そこで若者による若者のための本として、U25(25歳以下)をメインターゲットに等身大の「サバイバル・マニュアル」を作るというコンセプトでこのシリーズが生まれました。偶然にも(?)、私がちょうど25歳になったと同時にこのシリーズは創刊しました。

第2回目は、具体的な1冊ずつの書籍編集のお話をしていきます。

徳瑠里香(とくるりか)/編集者
1987年生まれ、慶應義塾大学法学部政治学科卒。在学中に「編集・ライター養成講座」修了。(株)ディスカヴァー・トゥエンティワンにて、「U25 Survival Manual Series」創刊、10冊を企画編集。その後、独立。主に、講談社「現代ビジネス」にて、企画編集・ライティングを行う。世界経済フォーラムGlobal Shapers 2014 選出。
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宣伝会議 編集・ライター養成講座事務局
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