社員を変え、会社を伸ばすわが社の講座活用法⑬和信化学工業

更新日2021.9.1 / 公開日2014.12.12

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和信化学工業経営戦略室吉村京子氏

木工塗料とフィルム事業を中心に、90年間BtoBビジネスを行ってきた和信化学工業は満を持して、BtoCへと新展開を図る。

安定性ある老舗企業が挑戦する理由

和信化学工業経営戦略室吉村京子氏

「自社の既存商品、既存サービスを否定的な目で見て、挑戦していくことが大事です」と話すのは、90年の歴史を持つ和信化学工業の経営戦略室の吉村京子氏。同社の挑戦とは、BtoCビジネスへ乗り出すことを意味している。

従来の業務の主流は、木工塗料をホームセンターや塗装屋へ卸したり、スタンピング箔と呼ばれる特殊な加工をパッケージに施したりといった仕事。BtoCへの取り組みは簡単ではないように思われる。また、老舗企業であり業績も堅調な同社が、リスクを伴う挑戦を行う必要があるのだろうか。

「確かに、木工塗料事業では多くの既存顧客様を抱えていますし、フィルム事業では世界的シェアも獲得しており、安定性は高い会社だと思います。ただ、いずれの事業にも課題がないわけではない。そうした課題解決に向けて、4年前に経営戦略室が誕生しました。いまは社長直下の組織として、主体的に挑戦・変化を起こしていこうと動いています」。

各講座で新施策に向けた知識を修得

挑戦の流れを加速させるために、同社では宣伝会議の講座を活用。受講講座は、ブランドを客観的に見られるようになるブランドマネージャー育成講座や、企画書・プレゼン講座、PR基礎講座といった専門知識を得られるものなど様々だ。受講の成果は、例えば同業界では珍しいSNSや動画メディアの活用として実現している。「どの施策も見極めを行っている状態です。

当社のファンになってくれる方は生まれてきているのですが、それをどう収益に結びつけるかという課題もあります。講座で出会った他業界の方々と話す中で、新たな試みに繋がる気付きもありますし、試したいことは尽きません」。

吉村氏の言葉の通り、今後も、新たな販売チャネルの構築に加え、既存商品に付加価値を加える新サービスの創造などに取り組んでいく計画がある。「経営戦略室には、先入観を持たずに飲食やアパレル業界の成功事例を学ぶような柔軟な考えのメンバーが多く、組織としても若い。凝り固まったところがない分、変化に対して好意的な部分がある。そんな恵まれた環境ですので、既存のものを検討して見極めながら挑戦し続けるという姿勢は崩しません」。力強く語る吉村氏と同社の今後に興味は尽きない。