STEP 6. 絶対に変えないことを決める
STEP5の延長で、まず「絶対に変えてはいけないこと」から「どういうブランドにすべきか」の定義をしていきます。
表現方法にフォーマットはありません。ただ、ポイントになるのが誰もが共有できるようにすることと、無理に一行の簡潔なコンセプトに収めようとはしない方がよいということです。
この作業で大切なのは、ブランドのコアとして絶対に変えてはいけないことが何かを明確にすることなので、それが実現する表現方法を考えていきましょう。
STEP 7.「詳細」と「法律」を作る
ここまでくると、だいぶブランドの方向性や人格がはっきりしてきます。
その流れでブランドを①WHY(どのような理由で)、②WHAT(どんな商品を)、③WHO(誰に)、④WHERE(どんなチャネルで)、⑤WHEN(いつ頃から)、⑥HOW(どのように伝えて)売るのか?
つまりはマーケティング戦略を考えていきます。
このように詳細が決まってくると、そのブランドとして「すべきこと」と「すべきでないこと」、つまりはブランドの人格に合った“振る舞い方”が明確になってきます。これを元に、その時点で考えられる範囲で良いのでブランドの「法律」を作りましょう。
ポイントは複雑にしないことです。市場は刻一刻と変わっていくので、「法律」に縛られると、変化に対応できなくなってしまうからです。よほどのことがない限り、変更をする必要がないような、重要なことだけに絞り込みましょう。
STEP 8. 関係者の理解を深める
次にブランドの「詳細」と「法律」を、ブランドに関わる社内外のあらゆる人たちが理解できる形として書面にまとめます。専門用語で「ブランド・ステイトメント」と呼ばれるものです。
ここもSTEP6と同様でシンプルにしすぎず、面倒でも、あの手この手を尽くしてブランドの真髄を表現してみましょう。
とにかくブランドを形成する情報を全て網羅するつもりで資料をまとめていきます。
STEP 9. コミュニケーション手段を選ぶ
ブランドのコミュニケーション手段・手法は、多様化しています。ブランドにとってどの手段、ツール、テクノロジーが最適なのかを選定していきます。
STEP 10. 効果測定しながら運用する
ブランドが目指す、生き残る道を歩み続けるため、実行すべきとなったことを着実に遂行し、かつ効果測定を行いPDCAを回して随時改善をしていきます。
デジタルチャネルが拡大したことで、かつては可視化できなかった施策の効果がデータで把握できるようになりました。
ブランドとは関係者と顧客の心の中に形成される象徴(イメージ)であり、その象徴を元に戦略を立て、道を誤らないよう注意しながら着実なコンバージョンを積み重ねていくことが求められます。それゆえ当然ながら、成果が出るには時間がかかります。
目先の結果に縛られることなく、大きな絵を描き、ブランドに関わる関係者たちと共有しながらすべきことを実行していく。その結果、顧客との継続的で良好な関係を築き、市場において確固たる地位を得ることで生き抜いていく。それこそがブランディングと言えるでしょう。