モビリティの視点から見る若者世代
後半は、辻本氏がエコ・ネイティブ世代の基本的な行動スタンスを「社会より人に頼る」、「競争より調和」、「欲望よりリスクヘッジ」とまとめ、彼らが今後どう動いていくのかを、環境カテゴリーチームのコミュニティの視点と、自動車カテゴリーチームのモビリティの視点で紹介した。
コミュニティとしては、エコ・ネイティブ世代のシェア意識に着目。その概念を、家族や仲間、地域を超えたものになり「今までリスク分散であったシェアを、同じニーズを持つ人みんながハッピーになる価値創造シェアにするために、既存のコミュニティを超えた新しいコミュニティを作るのではないか」と話し、そのような動きを想定した商品設計が必要になると提言した。
モビリティの視点では、都市と地方の移動に注目した。
メインとサブという考え方と、経済圏と生活圏というとらえ方で都市と地方の交流移動が増えるだろうと予測。さらに、エコ・ネイティブ世代がソーシャルメディアなどを通じてさまざまなキャラクターを使い分けている「マルチキャラクター」化にも言及し、都市と地方でもさまざまなキャラクターを持つようになるのではないかと分析した。
この移動のニーズに応えるのが自動車であり、それは従来の個人所有の「マイカー」ではなく、社会インフラとしての1台になるだろうと話した。
2020年代に導入が予定される自動走行システムにも言及し、エコ・ネイティブ世代がこうした技術を「スマートフォンのように使いこなし、自動運転中に前後の車と交流し、道路空間をコミュニティにするような新しい車の楽しみ方を広げていくのではないか」とも話した。
最後に、エコ・ネイティブ世代が持っている未来を動かすポテンシャルは、それを生かすために上の世代の支援、協力が必要で、その責任も負っていると指摘した。その上で「上の世代とエコ・ネイティブ世代を支援し、その活躍で返してもらう、そんなギブアンドテイクが未来作りには必要なのではないでしょうか」と話してセッションを締めた。