『知っておきたい、マーケティング・オートメーションの基礎知識』はこちら
テクノロジーは企業成長に欠かせない
「アドタイ」をお読みの皆さま、はじめまして。マルケトの福田康隆です。このコラムでは最近、よく話題に出てくる「マーケティングオートメーション」について、できる限りわかりやすく説明していければと思っています。
私は今、2014年の3月に日本での展開を開始したマルケトという米国のマーケティングオートメーションのベンダーで代表取締役社長をしていますが、それ以前は日本オラクル、セールスフォース・ドットコムといったIT企業で20年近く仕事をしてきました。
これまでに、従業員規模数名の小規模企業、短期間で急成長した企業、重厚長大な大手企業まで幅広くお付き合いしてきました。その過程でテクノロジーが、企業のセールス部門、マーケティング部門、そして経営を革新していく様子を目の当たりにし、ITの進化は人の能力を大きく増強してくれる、企業の成長に欠かせないものだと 痛感してきました。
これからの10年で、その恩恵を受けられるのはマーケティング、その中でも核となるのがマーケティングオートメーションではないかと確信し、今の仕事に飛び込む決意をしました。
それではマーケターが今、どのようなテクノロジーを活用し、何ができるようになっているのか、さらにマーケティングオートメーションそのものについて、活用事例も紹介しながら、以下4回の記事で解説していきます。
- 第1回 なぜ今、マーケティングオートメーションが注目されているのか?
- 第2回 マーケティングオートメーションは、何を実現してくれるのか?
- 第3回 マーケター座談会:テクノロジーは、私たちの仕事の何をどう変えるのか?
- 第4回 ケース研究:日本のマーケティングオートメーション最新活用事例
初回となる今回は、市場規模など具体的データを交えながら、マーケティングオートメーションが登場し、注目されるようになった背景を説明していきます。
市場規模はどれくらい?
→B2Bだけで、2014年は1200億円規模
米国「Raab Associates」が2014年2月に発表したデータによれば、2009年には約100億円だったマーケティングオートメーション市場は、 2014年には約1200億円に拡大すると言われています。しかも、これはB2B企業だけに限った市場規模です。
マーケティングオートメーションに限らず、マーケティング全般のテクノロジー市場はさらに規模が大きく、関連する企業の数は、2011年には100社だったものが、2014年には900社を超えると言われており、急速に成長している市場と言えます。
実際、米国IDCが2014年10月に発表した調査では全世界のマーケティング関連のソフトウェア市場は2018年には約3兆2千億円にまで拡大すると予測されています。
テクノロジーは、何を実現するのか?
→基本の効率的実践と新しく実現できること
しかし近年、デジタルテクノロジーが急速にマーケティングの現場に浸透したことで、「それによって、何が可能になるのか?」が不明確になり、「導入することで、あらゆることが劇的に変わるのではないか?」という、ある種の“幻想”のようなものが生まれている危惧も感じます。
デジタルマーケティングは導入するだけで、何かが起こる“魔法”のツールではありません。
テクノロジーの進化により、普遍的なマーケティングの理論や概念を多くの企業で実現できる水準になってきたということなのです。
たとえば、「ワントゥワンマーケティング」という概念自体は決して新しいものではありませんが、これまでは膨大なIT投資と人的コストが発生するなど、多くの企業にとっては現実的でなかったと言えます。
現在はアドテクノロジーの進化や、クラウドの技術、ソーシャルメディアやモバイルの普及により、多くの企業にとって実現可能な水準になっています。
ところが、マーケティングオートメーションという一つのテーマで、マーケティングの理論を話す人もいれば、個別のテクノロジーに特化して話す人もいるという点が、そもそも何ができるのかを理解しづらい状況を作っているのではないでしょうか。
マルケト
https://www.advertimes.com/special/marketo/