武器となるデータを集め、社内をサポートする
———実際に社内の他部署とコミュニケーションを行うときに気を配ったことやポイントはありますか。
趙:私の役割は今まで見えなかった効果をデータで集めていくことだと思っています。営業はデジタルで本当に商談ができるのか、モノが売れるのと常に疑問を持っています。専門用語などの難しい言葉で説明するのではなく、社内用資料やバイヤー用資料を作るなど、営業の立場に立つように心がけました。
ブランド担当者達とも、デジタルを通してお互いのブランドが何をやっているのか、何が成功して何が今失敗しているのかを共有することで、会社全体を横串しにできたと思っています。
中川:私たちがいろいろな国の取り組みを横断で見てベストプラクティスを国内に共有するなど、密にコミュニケーションをとることで、一つのチームとしてプロジェクトが推進していけるよう心がけています。また、日産が発信するメッセージをWebサイトだけでなく、スマートフォンやアプリなどデバイス関係なくシームレスにお客様に提供できるようグローバルで統括していきたいと思っています。
———何かお互いに質問がありましたらお願いします。
趙:デジタルに関する施策がどのように決まり、実行されるのか、そのフローを教えてください。組織が大きいからこその特徴があるのではないかと思います。
中川:上司が海外の方だろうと日本の方だろうと変わらず、モノひとつ買うのもきちんとした上申プロセスがあります。いいものをすぐに導入したいという気持ちがあっても、社内の様々な部署との調整が必要です。そういうプロセスをきちんと納得して、これをしないと前に進まないということを納得してもらうのに苦労しました。
逆に、リージョンの立場からみたグローバルの部署に対する期待値って何かありますか。
趙:マーケットの特徴を理解してほしいと思います。例えば、ウェブサイトも、国によって見せ方やフォントが変わることがある。本国に明朝の説明をするのがすごく難しいです。CMSでグローバルのサイトだときれいなフォントが日本に変換すると明朝となってしまい、説明するのに1週間かかりました。
中川:まさに先週、その部分で苦労しました。日本は雑誌のように情報がたくさん詰め込んだデザインを好みますが、海外は絵や写真だけで説明を少なくしたものを好みます。グローバル部署でできたデザインを国内部署に見せたところ、「このボタンもほしい、このテキストも入れたい」と言われました。マーケットニーズを組み込んで、同じテンプレートに入れる難しさを痛感しています。