広告主、媒体社、クリエイターがWeb広告の表現をめぐって議論――「Yahoo! JAPANアド・クリエイティブ・ハッカソン2014」を振り返る

視点は違っていても、同じゴールにたどり着ける

――審査はいかがでしたか。

菅野 様々なアイデアが集まりましたが、ザ・プレミアム・モルツのブランドとしての世界観を取るか、デジタルでの表現のおもしろさを取るかというところで、審査員の間で票が割れました。僕はブランドとしての世界観のある方を選びましたが、キレイに分かれましたね(笑)

友澤 媒体社、広告主、クリエイター、それぞれのやりたい方向性の違いなのだろうな、と思いました。

重野 それぞれの立ち位置やアプローチはバラバラかもしれませんが、みんなお客さんを見てるはずだ、と僕は思っています。ブランド側の視点にしても、クリエイティブ側の視点にしても、同じゴールにたどり着けるような気がしているんですけどね。

――ハッカソンを終えて。

友澤大輔氏(ヤフー)

友澤大輔氏(ヤフー)

友澤 こうして1日がかりで広告主と媒体社、クリエイターが一緒になって、ひざを突き合わせて議論するような機会は少ないので、当初の期待通りいろいろ発見がありました。でも、たとえばテレビ制作などの現場ではずっと前からやっているはずです。ネットの世界もそのようなフェーズに変わっていっているのかなと思います。

菅野 自分のオリエンから、普段思いつかないような幅広いアイデアがたくさん出てきて素直に嬉しかったですね。ザ・プレミアム・モルツとしても1年の中で一番売上げの大きい年末のタイミングだったために、ガチガチのオリエンをしてしまったのでおもしろいアイデアがでてくるのか正直不安でした。見事に裏切られました、良い意味で。

坂田淳子氏(サントリービジネスエキスパート)

坂田淳子氏(サントリービジネスエキスパート)

坂田 アルコールの広告表現に際してはいろいろと制約も多いのでどうなるかな、という不安もありましたが、実際出てきたアイデアの中に、アルコール感が前面にくる表現はほとんど出てこなかったんですね。

今回の皆さんはこちらの想像以上に自由に考えていて、私の中にはなかったアプローチでプレモルに落としてくださっていて。これまでの自分たちの考えは偏ってたのかな、とも思いましたね。

木下謙一氏(I.C.E/ラナエクストラクティブ)

木下謙一氏(I.C.E/ラナエクストラクティブ)

木下 とはいえ、今回出てきたものはストレートな表現だと思いました。商品を隠したものやひねったものが出てくるのかなと考えていましたけど、そこまでではなかった。プレモルの世界観を意識してか、全体的に上品なトーンだったと言えます。

菅野 今回ハッカソンに参加して、これまで通りのマス広告と連動したデジタルの使い方をさらに進化させていく一方、課題やタイミングによってはデジタルはデジタルでと切り離して考えてみるのもありかな、と思っています。ある程度自由に企画することで、ブランドのさらなる可能性を引き出すことができるかもしれないと思います。


Yahoo! JAPAN アド・クリエイティブ・ハッカソン2014 ~サントリーチャレンジ~
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ハッカソン当日に選ばれた優秀賞3作品の中から、I.C.E加盟社ソニックジャムの作品が12月26日から31日までYahoo! JAPANのトップページに掲載されます。ぜひご覧ください。

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