売上低迷の百貨店業界の中で奮闘する三越伊勢丹の戦略

日本の価値を世界に発信

グローバル事業では、海外の拠点を刷新し、海外からの旅行者のインバウンドを図るとともに、グローバルコンテンツを作り、それをまた海外に輸出していくという循環を作る予定です。その肝となるのがクールジャパンファンドと取り組みを始めている日本コンテンツです。

その1号店を来秋、マレーシアにオープンさせます。この拠点はクールジャパンを全館で表現し、日本企業が進出するプラットフォームとしての役割や、他の地域に向けたショールームの役割も果たします。

また、インバウンドの施策の一環として来秋、羽田空港・成田空港と合弁で銀座に市中免税店「JAPAN DUTY FREEGINZA」を出店します。世界中の顧客に日本独自のおもてなしやグレードを感じる最高の品揃えを提供する、世界に類を見ない免税店です。

また、日本の良さを発信するもう1つの取り組みとして、今年2月にニューヨークで「日本の良いもの」を紹介し、世界進出をサポートするポップアップショップ「NIPPONISTA」を開催しました。今後も日本を世界に発信するコンテンツのひとつとして続けていきます。

「つなぐ」がキーワード

お客さまのライフスタイルを一連の流れとして捉え、利便性を高める。そのためには我々が持つコンテンツをどのようにつないでいけばよいのか、必要ならば、これまで競合だった相手と一緒に新規事業を興すこともあると思います。

我々が生き残るために新たな事業を創造するキーワードは「つなぐ」です。すべては人と人のつながりの上に成り立っています。百貨店固有の旧態然とした考え方を捨てて、長期的な視野に立つ必要があります。これまでバラバラだった人と人、社会や企業、世界と日本、リアルとウェブ…。これらをつなぎ合せ、新しい価値を提供してお客さまに感動していただくことこそが、我々百貨店が取組んでいくべきことだと考えています。


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