世界の面白プロモーションに見る 人を動かすアイデア7選 Vol.01

家族に、友人に、恋人に。クリスマスプレゼントはこれで我慢して!?

ハーヴェイ・ニコルズ 「Sorry, I Spent It On Myself.」(英国)

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■百貨店からの異色の提案に、世界から高い評価が
従来の百貨店のクリスマス商戦のあり方を打ち破った同キャンペーンは、「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」で、プロモ&アクティベーション部門をはじめ4部門でグランプリを獲得した。

家族や恋人へのクリスマスプレゼントを選んでいたら、ついつい自分のものを買ってしまって…。こんな経験をしたことがある人は少なくないのでは?

そんな人々をターゲットにハーヴェイ・ニコルズは2013年、クリスマスギフト向けの新たなプロダクトライン「Sorry, I Spent It On Myself.」コレクションを発売しました。

パッケージに「ごめん、(クリスマスプレゼントを買うはずのお金を)自分のために使っちゃった」と書かれた同コレクションの商品ラインナップは、金属たわし(96ペンス)に歯ブラシ(95ペンス)、缶入り“クリスマスランチ”(1.89ポンド)、クリップ(99ペンス)、輪ゴムセット(1ポンド)、つまようじセット(47ペンス)と、どれも低価格のものばかり。

他の人へのプレゼント代を浮かせて、もっと自分自身のためにお金を使いましょう、というハーヴェイ・ニコルズからのメッセージでもあります。

同コレクションの商品は実店舗とオンラインストアで購入することができ、3日間で全2万6000点が完売しました。Webサイトで、フリー素材のクリスマスカードを用意したのも、にくい演出です。

課題曲はカナダ国家。正しく歌えたらビールを贈呈!

モルソン・カナディアン 「The Beer Fridge – O Canada」(カナダ)

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■正しく歌えたらビールをプレゼント
カナダの建国記念日に合わせて展開したキャンペーン。街中に出現した冷蔵庫の前で、国家を正しく歌えると無料でビールをもらうことができる。

森の中や街角など、様々な場所に突如現れた、真っ赤な冷蔵庫。扉には「カナダの国歌(『O Canada』)を歌って」と書かれています。

これは、カナダのビールメーカー モルソン・カナディアンが、7月1日のカナダ建国記念日に合わせて展開したキャンペーン。

人々が冷蔵庫の前で国歌を歌うと、その歌声が、内蔵されたセンサーで判定されます。正しく歌えると扉が開いて、中に入っているビールがもらえるという仕組みです。

判定は、音程の正しさはもちろんのこと、歌詞の正確さも求められ、なかなか厳しいもの。キャンペーンムービーには、若い女性からお年寄りまで、音痴な人もそうでない人も、冷蔵庫の前で大熱唱する姿や、最後に見事ビールを手に入れ、祝杯をあげる人々の様子が写し出されています。

カナダ人の愛国心をくすぐる施策で、「カナダといえばモルソン」のイメージを改めて訴求することに成功した事例。商品名を知ってもらう、覚えてもらうだけでなく、どうしたら人の行動を喚起できるのか。カナダ国民のインサイトをうまく捉えたアイデアと言えそうです。

5台の重機が計7トン以上の巨大ジェンガにチャレンジ!

キャタピラー社 「Built for It Trial #1: Stack.」(米国)

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■ハラハラ、ドキドキ…前代未聞の実証ムービー
建機・重機メーカー大手のキャタピラー社によるWeb動画。約300kg×27個の巨大ジェンガを、5台の重機を使ってプレーする様子が写し出される。

建機・重機メーカー大手 キャタピラー社が展開したWeb動画「Built forIt Trial #1: Stack.」「320E」「277D」「M316D」「349E」「TH514C」という同社の重機5台が、1個あたり272㎏、合計27個のブロックからなる“巨大ジェンガ”をプレーするという内容です。

オペレーターの指揮のもと、熟練のドライバーたちが重機を自由自在に操作し、ブロックを積み上げていく様子が写しだされています。

B2B広告の一般的なターゲットである株主や潜在顧客はもちろんのこと、その子どもたちにも受け入れられる広告をめざした今回のムービー。エンタテインメント性の高い手法で、同社の重機の力強さと優れた操作性を表現しました。

YouTubeでは、7月初旬の公開後2週間で再生回数が150万回に達し、1000件近いコメントがつきました。11月現在で250万回以上再生されています。

ネットで拡散する「バイラル動画」は、最近のプロモーションの潮流のひとつ。強力なコンテンツがあれば、広告費をかけずにSNS上で自然に拡散していきます。この事例は、バイラル動画の成功ケースと言えます

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