「美しさ」は人間本来の感覚の中に宿る
ものづくりにおける具体的な発想法として、ZEPPELINでは「人間の五感」を大切にしているのだと言う。
例えば、渡り鳥が互いの意思疎通なく瞬時に方向転換する際に行う「シンクロ」という動物的感覚や、様々な感情(喜び、悲しみ、嬉しさ、怒り、愛情など)のうち、ある一つの感覚に100%満たされている瞬間に感じるという生命の充足感などが挙げられる。
同社では、そのような人間が本来持っている生物としての自然な姿、感覚が満たされる姿に「美しさ」が宿るとし、プロジェクトの初期段階で行なうビジョン形成やコンセプトづくりに取り入れている。
同社がサービスの改善を図ったUX/UI開発の事例の1つとして、NTTドコモのスマートフォン向けアプリケーション「しゃべってコンシェル」が挙げられる。
2014年3月のリニューアル時に、UX/UIデザインを得意とする同社が検討に加わり、NTTドコモの「音声入力の機能的な部分だけではなく、キャラクターとの会話そのものを楽しめるより洗練されたUXをつくりたい」というビジョンの実現に向けて、UX/UIの見直しを図った。
まず10年後に「しゃべってコンシェル」がどのような存在になってほしいのかを描き、ビジョンをまとめ、デザインの段階では、使いやすさや親しみやすさを確保できる基本機能を固めつつ、ワクワク感や感動を与える魅力的な付加価値を実現するためのUX/UIを検討した。
さらに、ユーザーがスムーズに音声で操作し「キャラクターとの対話」そのものに没入できるよう、すべてのディテールにこだわり、UI/GUIを設計した。音声入力による操作や情報検索を簡易化するだけでなく、操作プロセスそのものを楽しめるように、キャラクターと対話する際の演出にこだわったという。
NTTドコモ「しゃべってコンシェル」
ドコモ担当者の声
これまでドコモでは、いくつかの音声入力系サービスを導入してきましたが、それらは機能的な面が先行しており、機械的にスマートフォンに指示を出すようなユーザーインターフェイスでした。今回は、“好きな『しゃべってキャラ』との会話も楽しめる”という要素を含めたサービスコンセプトの実現が重要であり、これまでの音声入力系サービスの発想とは別の要素が必要でした。そこで、社内関連部との検討の結果、“しゃべってコンシェル”のサービスコンセプトに一番相性がいいと思われるパートナーとしてZEPPELIN様を選定させていただきました。従来のドコモにはなかった新たな体験を実現するユーザーインターフェイスを提供していただき、非常によい成果を出していただいております。
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