運営の中で得られる知見に大きな価値がある
こうしたPDCAサイクルを回し続けていくことで、コンテンツのアップを楽しみに待つ固定ファンを右肩上がりに増やしていく。それが動画運用によって目指す理想的な姿だ。その時の動画は、テレビ番組に近いイメージになっていると服部氏は言う。
「時間とコストをかけたプッシュ型のバズ動画は爆発力がありますが、週一で連発するのは体力的に難しい。あらかじめかけられるコストや時間を前提に、機動力のあるコンテンツを設計していく必要があります。ものすごくバズるわけではないけれど、『毎日見てもいいな』と思ってもらえて、気持ちよいものとしてユーザーの生活に存在できるような動画コンテンツを制作し、運用していこうというのが、私たちが提案したいことです。作りっぱなしのフロー型ではなく、ストック型の動画制作の提案、とも言えると思います」。
ブランドとは短期的に存在するものではなく、時間をかけて人の中に醸成され、形づくられていくもの。だからこそ、「クライアントのそばにいることが一番大事だと思っています」と塩見氏は強調する。
「ブランドを長期的に育てるために、動画をどう配置し、シーズンに合わせたどんな施策を打つのが有効かを考えながら、仮説・検証・実行を繰り返していく。一言で動画運用と言っても、そこにはものすごい工数がかかります。ですが、そのループを循環させる中で得られるナレッジは、クライアントにとっても、我々にとっても計り知れない価値があると思っています」。
「動画運用」というと目新しく聞こえるが、テキストや写真をベースにしたWebサイトのコンテンツ運用はこれまでもなされてきたもの。それを動画でも行うのだと考えれば理解しやすい。
テレビCMの延長ではなく、Webコンテンツの延長として動画を捉えることで、動画のポテンシャルがこれまでと違った形で見えてくるはずだ。