【前回記事】「主役はモバイルからIoTへ、世界が注目するテクノロジーの祭典——現地からレポート「CES2015」③」はこちら
毎年、米ラスベガスでは正月明けにCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)が開催されます。CESは出展企業が2700社以上、さらに世界140カ国から15万人以上が参加する世界最大規模の家電トレードショーです。また、ここ数年は家電以上にIT・テクノロジーに関する最新トレンド発信の場として注目されています。
(著者:電通 CDC プロジェクト・プロデューサーズルーム部長、事業開発ディレクター 森 直樹)
(著者:電通 CDC プロジェクト・プロデューサーズルーム部長、事業開発ディレクター 森 直樹)
注目は自動車×IoT、「Connected car」
ここ数年、CESの出展における最も大きな変化は自動車です。とにかく、自動車関連の出展が勢いを増しています。基調講演の中で米自動車メーカーのフォードは、「フォードは自動車メーカーではなくテクノロジーの会社である」と話していました。この話は非常に象徴的で、最も進んだIoTデバイスとして「Connected car」という領域が確立されています。各社、ネットに接続される自動車。スマートフォンと連携する自動車。スマートウォッチと連携する自動車など、「コネクトする」ことが前提とした出展をしています。
自動車のIoT化でマーケターが考えるべきこと
自動車のIoT化は、自動車及び自動車周辺業界だけではなく、メディアや広告主も注目すべきトレンドです。フォードは基調講演で、オープン化されたAppプラットフォームSYNCを通じて1000万台の自動車と接続されていることを明らかにしました。すでに、多くの企業がSYNCに参加して、ドライバー向けにアプリケーションを提供し、自動車をコンタクトポイントして、ドライバーに対してサービス提供やブランド接触に取り組んでいます。
またIoT化により、すでにネット接続環境を提供する自動車は、ドライブ中のメディア接触に新たな可能性をもたらしています。例えば、Spotifyに代表されるようなIPベースの音楽配信サービスなどが利用可能になり、自動車乗車時のメディア接触の定番であるラジオに、新たな勢力が加わる可能性がでてきたのです。
したがってドライバーへのコミュニケーションを行っている広告主は、自動車のIoT化に注目する必要があります。