「感動価値を可視化し、共感させるマーケティングとは」——コーセー×マスターカード対談

講演者

  • 北川 一也 氏(コーセー 執行役員 宣伝部長)
  • 石中 弘一 氏(MasterCard ロイヤリティソリューションズ シニア ディレクター)
「宣伝会議サミット/デジタルマーケティング・フォーラム2014」が11月19日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて開催された。企業内でCMOの役割を担う事業責任者が、生活者と良好な関係を構築するための戦略・方針をテーマに話した講演の一部をレポートとして紹介する。

ロングセラーブランドを刷新、価値を最大化する

——取り組まれているお仕事や手ごたえのあったキャンペーンについて教えてください。

北川 一也 氏(コーセー 執行役員 宣伝部長)

北川:来年で誕生30周年を迎える雪肌精というブランドをリフレッシュさせ、売上増加につなげました。雪肌精は、2007年から松嶋菜々子さんを起用した広告展開を行っていました。ただ、タレントの年齢と共に使用者の年齢も上がっていったため、2013年から新垣結衣さんを起用し、商品特性が一番受け入れやすい20代中盤にターゲットを再設定しました。広告展開では、従来の「憧れ」醸成と共に「親しみ」も訴求してお客さまに「自分事化」してもらうことに注力しています。SNS上でキャラクターを介してお客さまと会話、スマートフォンで新垣さんの素顔が見られる動画展開、母の日、家族の日に母娘が互いにサンプルを送りあえるWebプロモーションを行いました。新垣さんとロングセラーという2つの価値を活かし、共感をつかむことのできたキャンペーンになります。

石中:「Pricelessキャンペーン」でお客さまに感動価値を与えることに注力しています。数年前までは「Pricelessな瞬間を目撃する」をキーワードにキレイなシーンを切り抜いたテレビCMを展開していました。最近では、実際に「Pricelessな体験を可能にする」をキーワードに、著名シェフにレクチャーをしてもらう機会や人気舞台の最前列のチケットを提供するなど、お金では買えない体験・経験をお客さまに提供しています。ホノルルで日本人渡航者をメインターゲットとしたキャンペーンではMasterCardへの印象が良くなったという人が36%、友人に薦めるという人が33%と好印象を与えることができました。

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宣伝会議サミット デジタルマーケティング・フォーラム2014
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