写真①
写真①は、米国のある乾電池売り場です。買物客は、この乾電池売り場に立ち、価格が安ければ買い置きを、必要に迫られれば少々価格が高くても、乾電池を購入していきます。この乾電池売り場から買物客が与えられる選択肢は、「価格が安いものを買おうか」ということか、「良く知られているブランドを買っておこうか」という2つです。
「選択肢」という言葉を使いましたが、売り場の前に立った買物客は、多かれ少なかれ商品選択を行います。それがどれだけコモディティ化している商品であっても、使い慣れている商品であっても、たとえ無意識的にでも、自身の購買経験や蓄積した商品情報を元に、商品の選択を行い、最終的に購買を決断しているのです。
操作される購買行動と新しい売上
では、それを踏まえて、もう一度写真②、③を見てみましょう。
写真②
写真③
写真①と異なるのは、商品の打ち出し方です。ここでは、「安いか、ブランドか」ではなく、乾電池の新しい選択肢として、「子供のおもちゃ向け」と「ハイテク製品向け」という使用用途を提示しています。
このように別の選択肢を提示されたら買物客はどうなるでしょう?
当然、その新しい選択肢に従った、別の経験・別の情報による決断を下します。つまり、新しい選択肢を提示することによって、新しい購買行動が起きる、ということです。これをチェースデザインでは「購買行動に操作を加える」と呼んでいます。
購買行動を操作するような新しい選択肢を提示された買物客は、今までと違う判断基準をもとに、自分の選択が正しいものであると納得できる商品を選択します。そして、それがより粗利率の高い商品に誘導されていれば、製品自体のイノベーションや価格プロモーションに頼らない、純増利益を生み出せることになります。
藤枝テッド和己/中井侑絵(チェースデザイン)
藤枝 テッド 和己/(株)チェースデザイン マネージング・ディレクター
2002年よりマッキャンワールドグループの(株)モメンタム ジャパンに勤務。
モメンタム ワールドワイドの国際組織グローバル・ショッパーマーケティングエクセレンス・グループの中核メンバーとして、買物客(ショッパー)を中心においたマーケティングの開発に取り組み、JTインターナショナル、コカ・コーラ、マイクロソフトといった多国籍企業のショッパーマーケティングに携わる。現在は、2013年にモメンタム・ワールドワイドが買収した、北米のショッパーベースデザイン・コンサルティング会社チェースデザインの日本法人のマネージング・ディレクターに就任し、多くのクライアントに、売り場で購買行動を操作する「売り方のイノベーション」のコンサルティングを行っている。
宣伝会議では、セールスプロモーション講座やメディアプランニング講座等のセミナー講師を務め、先駆的なマーケティング理論やケーススタディを紹介している。
中井侑絵/(株)チェースデザイン シニアストラテジックプランナー
(株)モメンタム ジャパンから、北米のショッパーベースデザイン・コンサルティング会社チェースデザインに派遣され、P&Gやスターバックスのショッパーベースデザイン・プロジェクトに参画。2014年、チェースデザインの日本法人の設立のメンバーの一人として、主にショッパー戦略の開発に従事し、クライアントに対して、ショッパーベースデザインを日本のマーケットで実践するための、様々な提案を行っている。
藤枝 テッド 和己/(株)チェースデザイン マネージング・ディレクター
2002年よりマッキャンワールドグループの(株)モメンタム ジャパンに勤務。
モメンタム ワールドワイドの国際組織グローバル・ショッパーマーケティングエクセレンス・グループの中核メンバーとして、買物客(ショッパー)を中心においたマーケティングの開発に取り組み、JTインターナショナル、コカ・コーラ、マイクロソフトといった多国籍企業のショッパーマーケティングに携わる。現在は、2013年にモメンタム・ワールドワイドが買収した、北米のショッパーベースデザイン・コンサルティング会社チェースデザインの日本法人のマネージング・ディレクターに就任し、多くのクライアントに、売り場で購買行動を操作する「売り方のイノベーション」のコンサルティングを行っている。
宣伝会議では、セールスプロモーション講座やメディアプランニング講座等のセミナー講師を務め、先駆的なマーケティング理論やケーススタディを紹介している。
中井侑絵/(株)チェースデザイン シニアストラテジックプランナー
(株)モメンタム ジャパンから、北米のショッパーベースデザイン・コンサルティング会社チェースデザインに派遣され、P&Gやスターバックスのショッパーベースデザイン・プロジェクトに参画。2014年、チェースデザインの日本法人の設立のメンバーの一人として、主にショッパー戦略の開発に従事し、クライアントに対して、ショッパーベースデザインを日本のマーケットで実践するための、様々な提案を行っている。
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