「ポジションが人をつくり、成長を促す」——AOLプラットフォームズ・ジャパン 花崎社長に聞く

社員全員にとって居心地の良い会社から脱却

——一方で、もっと自主的に取り組んでほしいことや、こんな考え方・視座を持ってほしい、と考えていることはありますか?

先ほどの四つの力で言えば、やはり「プロフェッショナル」の部分です。もう少し、業界全体を俯瞰する力や、あるいは周りで何が起きているか、会社以外で何が起きているかを踏まえたうえで、当社が・自分が何をすべきなのかについて学んでほしいと思っています。

当社は、今年1月1日付で社名がアドバタイジングドットコム・ジャパンからAOLプラットフォーム・ジャパンへと名前が変わりましたが、社名の通り、アメリカのAOLのサービスやテクノロジーを日本へ導入していくことが大きなミッションです。しかし、そのミッションをこなすには行動力に乏しいのではと思っています。アメリカのAOLで何が起きているか、いま何に取り組んでいるのかについて、自分たちから積極的に情報を取りに行こうという姿勢が弱い。この点については将来的に、次世代リーダー候補をアメリカ本社に半年から1年間ほど送り込んで学ばせたいと思っています。とにかく、もう少し日米間のコミュニケーションを密にしたい。企業カルチャーかもしれませんが、当社の社員は優秀だけれどちょっとおとなしい感じがします。

——良い意味での貪欲さを前面に出して、行動に出していってほしいということですね。

そうですね。これはリーダーに限りませんが、まずは「こんなことがやりたい」と手を挙げたり、積極的に意見を述べること。個別に聞くと「もっとこうすべきだと思います」と意見や考えを述べるのですが、会議の場などでは周囲の様子をうかがってしまう空気が少しあります。そこはもっと貪欲になってほしいですね。ただ、こうしたことは人事評価制度とセットで行わなければなりませんので、近い将来に人事制度を整えて、積極的に手を挙げて行動した人を評価するようにしたいと思っています。
私がこの会社に来た当初は、ひと言でいうと「社員みんなにとって居心地の良い会社」でした。だけど、私としては「しっかり仕事をやる人にとって居心地の良い会社」であってほしい。そこはしっかり変えていきたいと思います。

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[マーケティング研究室]
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時代の流れがますます速くなっている昨今、求められる人材においても、そうした流れに翻弄されることなく、しっかりと考えて行動できる「マーケティング思考」が、マーケティング部門のみならず、あらゆるビジネスパーソンに求められる時代なってきている。

このコラムでは、そうした「マーケティング思考&行動」ができる人材を育成するにはどうすればいいのか?企業のトップに、人材育成について考えていること、大切にしていること、実践していることなどを聞いていく。

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