業界に隔たりなくイノベーションが起こる
2015年のCESを終え、そして津山さんとの対談の中で、昨年より注目され始めたIoTの世界観が、今年は現実となりビジネスの潮流となっている空気感を感じました。少なくとも、米国企業は技術革新がITと通信の低コスト化・小型化を推し進め、IoTが爆発的に進むはずです。そして、破壊的な革新により自らのビジネスに大きな影響を与えると考えています。
この加速度的なまでの技術革新とIoTの潮流を、インテルの基調講演からもうかがい知ることができました。インテルは基調講演で、昨年のEdison(SDカード大の通信機能付きプロセッサ)を発表し、多くのモノがIoT端末化する可能性について提言し、大きな反響を得ておりました。それから、たった1年でボタンサイズの小型コンピューター「Curie」を発表。さらに、インテルはこのCurieについて、BARNEYS NEWYORKなどのファッションブランドとの提携を発表。ファッション業界と共にCurieを使った新しいIoTのエクスペリエンスを研究し、市場に投入することを表明しました。まさに、全ての業界・産業がIoTの流れと無関係でないことを裏付けているようです。
マーケターのテクノロジー理解が益々重要に
IoTの流れが、今後どこまで加速するのか?来年もIoTなのか? 未知数であることは確かです。しかし、ここ数年のCESに参加して思うことは、マーケターはますますテクノロジーを理解し、マーケティング活動に取り入れる必要性があると言うことです。IoTの流れだけでも、IoTを自社プロダクトの連携、管理ツールとしてAppの開発、IoT端末のセンサーから得られるデータの活用、それら全体を活用したユーザー体験の設計…。IoTはユーザー体験全体に有機的に関わり、新しい機能や価値を提供するものです。
今後、マーケターや企業幹部がIoTに限らず、テクノロジーをいかにマーケティングのみならず経営戦略の中で重視していくかが、競争優位を高める上で極めて重要となっています。そして、米国の経営者はそのことに気付き試行錯誤を始めている。そうした潮流を感じるCESでした。
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