【前回記事】「スタートアップ祭 CES2015を行く③—日本から出展中のロボット・スタートアップにインタビュー」はこちら
最終回は、主に企業のコミュニケーションを作っていく視点で、CESで感じたことをまとめてみます。
テキストよりデータの方が温かい
コネクテッド歯ブラシを使ったあと、ちゃんと子どもが歯ブラシしたことが残業中の父親に届くとか、フィットネス系のスマートウォッチ (動画は『mira fitness』というガジェットです)で、リタイアした母が今日も歩いたことが家族のフィードで確認できるとか。
テキストよりむしろデータそのものが、家族や恋人の温かさを感じる環境になっていきそうです。データそのもので、ユーザー同士がコミュニケーションしていくサービスやコミュニティを盛りあげていくのは面白そうです。
コネクテッド歯ブラシ
ツールとコミュニティを提供する
「strava」という世界中のランニング・自転車アスリートが集うコミュニティがあります。今回CESにも多数出展されていたような、フィットネス系のガジェットやスマホから走行データをアップし、順位を競ったり、同じ目標のクリアに向けて頑張ったりするコミュニティです。
「Every mile tells a story. Of hope, endurance, passion and desire.」というフレーズがコンセプトビデオで示されている通り、まさに、テキストより雄弁で、温かいデータを交換し合うコミュニティなのかなと。
最近は自分の仕事でも、デジタルサービスの開発と合わせて、stravaのようなコミュニティを作るプロジェクトが出てきていますが、企業が新規事業として、またプロモーションとして、身の回りの大事な人や友達とつながるためのツール&コミュニティを提供することが、今後盛り上がっていきそうだなと思います。
こうしたプロジェクトは、もはや広告制作の範疇を超えているので、ではその事業計画・サービスコンセプト・ブランディング・プロモーション・ユーザーコミュニティなどを誰が作るのか? 作れるのか?がまだ定まっていないのも、黎明期的で面白い状況です。