「屋上付き住宅1900万円」 “選べない”ことが価値を創造ープラスワンリビングハウス

買った後、さらに楽しくなる家

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イノベーションの「プラスワンリビングハウス」は、単に高品質な家が低価格で買えるだけではない。何よりもの特徴は、屋上に庭園があることだ。

これまでの住宅メーカーは商品を売って終わりになっていたと考える同社では、「365日屋上を楽しんでもらう」をコンセプトに屋上があることで実現する楽しい生活を送ってもらうことを目標に据えている。それゆえ、全国にいる購入者とのつながりも重視してきた。

屋上の使い方講座を実施したり、社員が自らお客様のもとに出向き、それぞれの屋上の楽しみ方を取材し、記事にしてまとめた季刊誌『il TETTO(テット)』を年に4回刊行し、屋上の楽しみ方を提案している。

また、購入者のコミュニティもできており、『テット』に登場した購入者だけが参加できるフェイスブックページでは、それぞれが自分なりの屋上の楽しみ方を投稿している。

屋上庭園はハードに過ぎない

「プラスワンリビングハウス」発売後、最初に購入した層は、様々な住宅メーカーの商品を比較・検討していた“目利き”の人たち」という。その後、購入者からのクチコミで広がっていった。

「プラスワンリビングハウス」発売後、最初に購入した層は、様々な住宅メーカーの商品を比較・検討していた“目利き”の人たち」という。その後、購入者からのクチコミで広がっていった。

イノベーションでは、「365日屋上を楽しんでもらう」というコンセプトを『ビジョン365』と命名している。

真夏でも真冬でも365日屋上を楽しんでもらいたい。ところが実際に購入者を訪問すると、年に数回、ちょっとお茶を飲むために使用する、“カフェ崩れ”的な使い方しかしていないケースも多かったという。そこで最近は、特に買った後の使い方の提案に力を入れている。

「ビジョン365」を実現するための具体的アイデアも形になりつつある。それが「アプリケーション」モデルだ。「私たちが提供する屋上庭園は、あくまでハードにすぎないと考えています。そこで、どんな“ソフト”を提供できるかもイノベーションの今後の使命です」(熊原氏)。

現在、構想しているアプリケーションは「菜園」「食」「菜園」「男の趣味」「子育て」「パーティ」の6つ。

社員が書店に行き、趣味関連の雑誌を買ってきて、その中から屋上でできること、屋上だから楽しめることに絞り込んで、アプリケーションのアイデアを固めていった。

各分野の担当は、社員が自分の興味のある分野を選択して決めた。自分の好きな領域だと力を発揮できると考えてのことだ。

屋上庭園をフックに売って終わりではなく、買ってから楽しくなる家を提供していきたい……。

住宅は高価格の商品であるがゆえ、購入者のクレームも多い業界。これまでは、積極的に購入後のお客様との関係を作らない流れにあった。しかし、イノベーションでは「ゴールをいかに屋上のある楽しい暮らしを送ってもらえるか」に置き、屋上の楽しい使い方を考え、提案していきたいと考えている。

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