会社の行きたいところ、共有できていますか?

Marketing TOPICS:社員を動かす、企業トップのためのコミュニケーション術

自社の課題やビジョン、目標をコンセプトに落とし込み、それを言葉や目に見える形に変換して社員に伝え、全社に浸透させる。そのために経営者が身に付けておきたい“伝え方”のコツをお届けします。


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柴田陽子(ブランドプロデューサー 柴田陽子事務所 代表取締役)
コーポレートブランディング・店舗プロデュース・商品開発など多岐にわたるコンサルティング業務を請け負う。セブン&アイ・ホールディングス「グランツリー武蔵小杉」の総合プロデューサーを務める他、東京急行電鉄「(仮称)代官山東横線上部開発計画」プロデュース、2015年ミラノ国際博覧会における日本館レストランプロデュースなど、幅広くブランディングに携わる。

小さな小さな会社ですが、私の会社、柴田陽子事務所(通称シバジム)には、会社がどこに行きたいかを示す“道の真ん中を歩こう”というビジョン(「Shibajimu Vision」)、そこに行くためにお揃いにして欲しい価値観を示す行動指針(「Shibajimu Action Value」)、そして、それを日々の具体的なルールに落とし込んだ「シバジムスタンダード」というものがあります。

これは10年前、私が事務所を設立した当初、「どこに行きたい会社なのかを社員に示すことなく日々業務を行ったり、褒めたり叱ったりするなんて、社員に対して失礼だよな」と、ふと思って作ったものです。

この3点セットは、額に入れられ、オフィスのみんなが通るところに掲げてあって、社員が入社する際は必ず、「こういう考えの会社なのですが、賛成してくれますか?」ということを確かめた上で入社していただくことになっています。

また、作った当初は、「こういうのって、時と共に変わるものなのかもしれないし、何年に1回見直そうというルールを自分で持っていればいいや」と考えていたのですが、自分でもすごいなと思うのは、10年経った今でも、この考えはまったく変わっていないのです。

そして、私の会社は不思議なくらい、その通りの姿になっています。

Shibajimu Vision

  • メンバーひとりひとりのキャラクターや個性をお互いが理解し、大好きで、思いやりに溢れた強いチーム力が魅力のシバジム。
  • 10人にも満たない小さな会社だけれど、夢のある大きな仕事を手がけ、お客様との信頼関係を大切に、謙虚で真摯な仕事姿勢を貫きます。また、結果にこだわり続ける強さをいつも忘れず、プロジェクトの本当の成功を目指し、信念を持って仕事に全うします。
  • シバジムのメンバーは気配り上手で、クリエイティブ豊か。優しく堂々と、あたたかな雰囲気は、頼りがいがあって憧れの存在です。もちろん個人としてのプライベートも楽しく、それぞれが豊かな日々を送っています。
  • 私たちは、どんな時にも陽のあたる道の真ん中を、笑顔でたくましく歩き続ける会社です。

Shibajimu Action Value

1、当時者意識を持つ

何事においても、「他人ごと」と考えず、当事者意識を持ちましょう。仲間の成功は自分の成功のごとく心から喜び、仲間のピンチは自分のピンチのごとく悩み、一緒になって解決策を探しましょう。

2、明るく振る舞う

どんな時でも仕事中は明るく振る舞うことに力を注いで下さい。チームでの仕事は雰囲気が大切です。明るい雰囲気からは前向きな空気が生まれ、楽しい職場は成功をもたらすと信じましょう。

3、変わることをよしとする

「また変わった」とか「いまさら」などとは言ってはいけません。シバジムは変化を良しとし、いつもプロジェクトの成功に対し最善の方法を探し、変化し続けることをよしとする文化を持ちましょう。

4、結果にこだわる

伝わらなかったら言っていないのと同じこと。結果が出なければ失敗。これくらい潔い考えを持って、仕事に臨みましょう。その上で、結果を出そうと頑張っている仲間の努力を、周りは評価しましょう。

5、スピードを重視する

仕事において、常に正攻法でありながら、効率とスピードを追求しましょう。誠実で正攻法なやり方の中で、最高に効率的で早いやり方はどれかを、常に自分自身に問いかけましょう。


スタンダードは次回ご紹介するとして、ここまでの2つ、何かのヒントになりましたでしょうか? もし、皆さんの会社やチームに、このようなビジョンと、お揃いにしたい価値観が共有されていなければ、ぜひ作ってみることをおススメします。

ポイントは、みんなが賛成!と共感できるようなものであること。あなたを知っている人から見て、めちゃくちゃその人らしい、と思ってもらえるようなものであるか、ということです。このように、「会社の行きたいところを共有すること」が、まとまりのある骨太な会社づくりの第一歩となるのです。

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