商品そのものを売らずに〇〇を売る
今回のテーマは、2014年の年間ランキングです。企業のFacebookページごとに平均エンゲージメント率を算出し、その上位のページの特徴を見ていきたいと思います。
トップ10のうち5つのページが飲料メーカーでした。中でも酒類のページが4つ入っています。サントリー「白州」「山崎」、アサヒビール「ジャックダニエル」、旭酒造の日本酒「獺祭」。いずれも、商品をストレートに登場させているにもかかわらずエンゲージメント率が高いのは、やはりウイスキーや日本酒には、語るべき「うんちく」があるからでしょう。商品そのものではなく、商品にまつわる「物語」を売っているのです。
そしてトップ10の中でも際立ってエンゲージメント率が高かったのは、大塚製薬のアミノバリューです。上記の酒類とは対照的に、商品についての言及はほとんどありません。記事では、ひたすらランニングやトレーニングについての情報やアドバイスを語っています。それも長い記事が多いです。一般的にはFacebookの記事は長すぎるとエンゲージメント率を下げると言われていますが、本当に役立つ情報が書かれていれば、そうとは限らないということです。
つまり、アミノバリューは「商品そのものを売らずに『ランニングにまつわる情報』を売る」ことで、読者の支持を得てエンゲージメント率を高めているのです。
中でも圧倒的に「いいね!」数が多かったのは、2014年9月10日に投稿された「カツカレーについて語る」という記事です。「カツカレーはマラソンだ」という強引な導入からはじまり、カツカレーを食べる際の「ルー」「カツ」「ライス」の配分やペースをマラソンにたとえています。記事によると「ルーはスタミナ、ライスは距離、カツはレースの雰囲気や気候、ペースを乱す周辺のランナーといった外的要因で、ゴールを見据えたペース配分が大事ですね」だそうです。
このように何気ない日常をヒントに、自社が売ろうとしている商品や情報にうまく結びつけることができると、多くの「いいね!」がもらえる可能性があります。ぜひ参考にしてください。
データ提供:Belugaポータル
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