【前回のコラム】「データプロバイダーによるエージェンシー設立・買収が始まる——業界人間ベム「2015年広告業界7つの予測」から」はこちら
UGC が拡大する環境を広告主はどう見るべきか?
オンラインビデオに関しては、ずいぶん活況を呈してきた感があるが、日本ではまだグーグル(YouTube)以外に「芯」を喰ったビジネスモデルがない。オンラインビデオをマーケティングサイドから取り扱うと、「たった10数万円でオンラインビデオCMが作れます」とか「有名なYoutuberをマネージメントしてます」とかいったあたりで、ストライクゾーンの周辺をうろうろしている感じだ。
CGM(コンシューマ・ジェネレイテッド・メディア)というワードが登場して久しいが、当初からCGMと呼ぶのは日本くらいで、海外ではUGC(ユーザー・ジェネレイテッド・コンテント)が一般的だと言われていた。このUGCというワードがその威力を各段に増したのが、動画投稿によるUGCが飛躍的に拡大したからだろう。
ユーザーの動画投稿とそれを視聴する消費者という図式が生み出すメディア接触時間は、プロのメディアがつくるコンテンツ消費を脅かしていくだろうというのが重要な観点である。
広告主企業はこうした環境をどう考えるかだ。
「マスメディアを通じた川上からのコミュニケーション」だけが視聴対象ではなく、「何万人もの動画投稿者が何十万という動画コンテンツをつくり、それを何百万、何千万という視聴者が何十億回の再生をする」という環境に対応したマーケティング戦略が必要になってくる。
そもそも動画というコンテンツは容易に国境を超える。グローバルオーディエンスが対象である。グローバルなマーケティング活動を行う企業はより意識しないといけない。