ネット通販における「売り場のコンテンツ化」とは?

【前回の記事「ネット通販が、カタログ通販を追い越したと言うけれど…」はこちら

ネット通販は、カタログ通販やマスコミ通販などに比べて、売上げを大きく伸ばしていますが、一方で、まだ「商品検索」のツールとしての利用きっかけが多く、独自の媒体力を発揮しているサイトは少ない…が前回までの内容でした。また、SNSなどの普及によって情報を双方向に、また第三者へも手軽にシェアできる環境にありながら、今ひとつ、その流れが販売力として活かされていない感があります。そんな中、ネット通販を活性化させる大事な一手が、売り場情報の「コンテンツ化」だと思います。

そもそも「コンテンツ」とはどんな意味でしょう?   コンテンツマーケティングとか、コンテンツビジネスとか、コンテンツメディア…のように、ほかの言葉と重ねて使われることも多いですよね。僕自身も無意識のうちによく使っていますが、あらためて「コンテンツ」って何だ?と問われると曖昧な感じです。企画?目次?項目?情報?…あまりにも領域の広い言葉になってしまって、なんだか、わかるようでわからない。
そこに、「マーケティング」とか「ビジネス」とか、これまた大きなワードがくっつくものだから、ますます手のつけられないモンスターのような語句になってしまいました。言葉は大きくなり過ぎると、その本質がつかみにくくなります。

コンテンツの語源は、「内容」とか「中身」という意味の英語です。つまり、情報の「中身」でビジネスや売り方を考えましょう!ということですね。何をいまさらと思うかもしれませんが、現状のネット通販には「コンテンツ=中身」が足りないのでは?と問われれば、そうかもしれない…と答えざるを得ない面があります。

たとえば、通販サイトの検索窓に「フィットネス」と打ち込んだとします。すると、たちどころに腹筋座椅子やウォーキングマシンといった商品情報が無数に現れるでしょう。その一つをクリックすると、詳しい説明ページにジャンプします。その商品説明ページこそが「コンテンツ=中身」です。しかし、商品の機能、大きさ、材質、形などが詳しく書かれていたとしても、そこにはきっと足りない要素があるはずです。それは閲覧者の脳に与える「刺激」なのではないでしょうか。

次ページ 「閲覧者は、フィットネス道具を探しているわけですから」へ続く

次のページ
1 2 3
向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)
向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)

通販クリエイティブディレクター。コピーライター。1990年に総合通信販売会社カタログハウス入社。同社発行「通販生活」の商品ページの企画・商品コピーを担当。95年より読み物ページも兼務。主な企画に「筒井康隆さん、断筆をやめて通販生活に小説を書いてください」(読物記事&CM連動企画)。98年よりテレビコマーシャル制作を兼務 、「じゃぁ、どんな生活がいいの?」「ブッシュ大統領そっくりさんCM」「読者投稿によるCM大賞作」「通販生活の著名人シリーズ」などの企画に携わる。2003年『ピカイチ事典』リニューアルに伴いピカイチ商品開発チームに参加。05年より 「ネット編集部」編集長。2011年より広告企画室 ゼネラルマネージャー。2014年独立後、通販メディア各種制作、コンサルティングの分野で活動。セミナー講師。

向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)

通販クリエイティブディレクター。コピーライター。1990年に総合通信販売会社カタログハウス入社。同社発行「通販生活」の商品ページの企画・商品コピーを担当。95年より読み物ページも兼務。主な企画に「筒井康隆さん、断筆をやめて通販生活に小説を書いてください」(読物記事&CM連動企画)。98年よりテレビコマーシャル制作を兼務 、「じゃぁ、どんな生活がいいの?」「ブッシュ大統領そっくりさんCM」「読者投稿によるCM大賞作」「通販生活の著名人シリーズ」などの企画に携わる。2003年『ピカイチ事典』リニューアルに伴いピカイチ商品開発チームに参加。05年より 「ネット編集部」編集長。2011年より広告企画室 ゼネラルマネージャー。2014年独立後、通販メディア各種制作、コンサルティングの分野で活動。セミナー講師。

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ