コピーライターはキャバクラ嬢と似ている?
—コピーライターの仕事をはじめたばかりの若手の時に、先輩から教えてもらい役立ったことはありますか?
下東:一言で言うと「態度」ですかね。仕事に対する態度もそうですし、勤務態度や人に接する態度もそうなんですけど。会社に入ってから「大人ってこういう風に人に接するんだ」とか「怒る時はこういう風に怒るんだ」っていうのをずっと見ていたので、それから学んだことは多いです。態度が悪い、つまり調子に乗ってると、一過性で消費されて終わるということとか。
コピーライターって何だかんだいっぱいいるので、あえて誤解されるような表現で言うと、キャバ嬢と近い存在だと思っています。基本的な能力はみんなそこまで変わらないけれど、こいつは指名したくないなとか、この子を指名したいなとかっていうのは、人間として無意識のうちにあると思う。態度が悪いホステスって、いくら顔がキレイでも、なかなか指名が取れない。逆に顔はキレイじゃないけど、すごいホスピタリティのあるホステスがNo.1になるっていうのを見てきて、学んだという感じですかね。
阿部:わかります。客商売なんですよね、結局。
小藥:入社してすぐ、当時トレーナーだった福島和人さんに「早くプロになれ」と言われたんですよね。その時は、その言葉の意味がよくわからなかったんですけれど、自分が真剣にコピーライターをやり始めたら、その言葉の重みを感じるようになりました。
つまり、コピーを書くことってビジネスなので、お金にならないと話にならないし、価値を作らないとそれは売り物にならないんですよね。コピーは結局言葉なので、社長も宣伝部の方も当然書けますし、オリエンシートに書いてあるような当たり前のことだけを言っても何のお金にもならないという、辛い職業ではあるのは間違いない。
ただ、プロというのは、誰にでも考えられそうだけど考えられない言葉で、「ああ、そういうことが言いたかったんです」って感謝されたりして、言葉をビジネスにしていくことだと思うんですね。だから、遊びじゃないっていうのを福島さんが教えてくれて、そういうコピーライターになりたい、真剣にこの職業をやりたいと思いましたね。プロになりたかったんです。
阿部:コピーライターとしての生き方というところで言うと、20代前半に、公私ともにまるでうまくいかない時があって、師匠にその話をした時に、しみじみと「阿部、またコピー上手くなるなあ」と言ってくださったんです。人間、自分が傷つくことがあると、なんでそういうことになったのか、人生についてよく考えざるを得ない。生きることについて考える時間をたくさん持つとコピーがどんどん上手くなると教えてくれました。
ネガポジ変換ができるっていうのが重要で、嫌なことも生きているとたくさんあるけど、コピーライターという仕事だと、それをポジティブな見方に変換できるというか、自分の肥やしにできるっていうのは、師匠から教えられて、未だに肝に命じている教えですね。
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